大黒摩季 2nd Studio Album
DA DA DA
TM FACTORY / 東芝EMI
1993年4月28日発売(CD : TOCT-8045)
(P)1993 Be Kikakushitsu

▼カタログ
・配信リマスター:2019年12月31日発売
・メーカー移行:1994年2月2日発売(BGCH-1010)B-Gram RECORDS

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Produced by 長戸大幸 (Being)
最高2位、74.6万枚

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1. DA・DA・DA
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & TV ASAHI MUSIC CO.,LTD.

アルバムタイトル曲。
ポップでダンサブルな大黒摩季の名刺的な1曲に仕上がっている。

Guitar:葉山たけし / Chorus:牧穂エミ、生沢祐一、大黒摩季、IKKIES

2. 恋のTIME MACHINE
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & TV ASAHI MUSIC CO.,LTD.

中高生向けとも取れるポップかつキュートな曲もこの人が得意としていたフォーマットである。
1stアルバムでも『That's イケイケ宣言!!』という曲がありました。

Guitar:葉山たけし / Pf:富樫春生 / Percussion:沓野行秀 / Chorus:大黒摩季、IKKIES

3. チョット
(作詞:大黒摩季・作曲:織田哲郎・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 TV ASAHI MUSIC CO.,LTD. & Be Kikakushitsu

1993年2月10日発売の3rdシングル。最高4位、84万枚。テレビ朝日系月曜ドラマ・イン『いちご白書』オープニングテーマ。
1992年9月に発売した2ndシングルがロングセールスとなり年明けにミリオンに到達しているがそれまでの間リリースは行っていないため、まさに満を持して発表されたのがこの曲である。織田哲郎が大黒摩季に提供した唯一のシングルでもある。
両A面の『君に愛されるそのために…』はこのアルバムには収録されていない。

Guitar:葉山たけし / Sax:勝田一樹 / Chorus:大黒摩季

4. DA・KA・RA
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
Produced by 長戸大幸、吉江一男
(C) 1992 TV ASAHI MUSIC CO.,LTD. & Be Kikakushitsu

1992年9月23日発売2ndシングル。最高2位、105.5万枚。東洋水産『マルちゃん ホットヌードル』CMソング。
この曲で大黒摩季のサウンドというものが確立されたともいえるのではないだろうか。
1995年発売のベストアルバム『BACK BEATs #1』には再構築したリミックスが収録されているが実はそちらのほうが出来が良いと個人的には思う。

Guitars:葉山たけし / Sax:勝田一樹 / Chorus:大黒摩季

5. Guts My Mind!!
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & TV ASAHI MUSIC CO.,LTD.

これも『恋のTIME MACHINE』なんかと同じ系譜のポップナンバー。
歌詞では女性の社会進出がめざましい時代になった90年代を生きるオンナの気持ちを意識した内容。

Guitars:葉山たけし / Sax:勝田一樹 / Percussion:沓野行秀 / Chorus:大黒摩季

6. 求める未来が変わった
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 TV ASAHI MUSIC CO.,LTD. & Be Kikakushitsu

曇り空のような重苦しい空気感を孕んだ楽曲。特別ファンに人気のある曲ではなかったと思うけど個人的にはどハマりしたんだよね。
アコギって温かい気持ちにさせてくれることもあるけど、ものすごく寂しい気持ちにさせる効果もあるよね。こちらは後者かな。

Guitars:葉山たけし / Wood Bass:高水健司 / Pf:富樫春生 / Chorus:大黒摩季

7. CRAZY WOLF
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 TV ASAHI MUSIC CO.,LTD. & Be Kikakushitsu

ラテンフレーバーのサウンドに乗せてダメ男とのアバンチュールを歌う。
本来の大黒さんの持ち味はこういう感じなんだろうな、のちの『夏が来る』なんかにも繋がってゆく感がある。

Guitar:葉山たけし / Pf:小野塚晃 / Percussion:沓野行秀 / Chorus:大黒摩季

8. MAGY'92
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 TV ASAHI MUSIC CO.,LTD. & Be Kikakushitsu

ダンサブルで爽快なサウンドに乗せて歌われるのは女友達の失恋。
デビュー前に原型がデモとして出来ていたものでメロディーメーカーとしての意地を感じさせるスケール感のあるナンバー。
シングルでいけるクオリティーだったよね。

Guitars:葉山たけし / E.Bass:上村義之 / Chorus:大黒摩季

9. MANHATTAN BEACH
(作詞:大黒摩季・作曲:編曲:葉山たけし)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & TV ASAHI MUSIC CO.,LTD.

今作から専属のアレンジャーとなった葉山たけし作曲による力が抜けたAORナンバー。
この手のサウンドはシングル『あなただけ見つめてる』のカップリング『GLORIA』や『アンバランス』のカップリング『After Blue』でも聴くことができるのだけど葉山さんの趣味なのかな。

Guitars:葉山たけし / E.Bass:渡辺直樹 / Percussion:沓野行秀 / Chorus:栗林誠一郎、大黒摩季

10. いつか見える…きっとわかる…
(作詞:作曲:大黒摩季・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 TV ASAHI MUSIC CO.,LTD. & Be Kikakushitsu

アルバムのフィナーレに相応しいバラード。非常に大人びたサウンド。
一人の男性との将来を心に決めた女性の歌。

Guitars:葉山たけし / E.Bass:渡辺直樹 / Organ:小野塚晃 / Trumpet:数原晋 / Chorus:大黒摩季、葉山たけし

RV





高校を卒業し札幌から上京した大黒摩季。その時にも既にいくつものストックがあり今回収録されている『MAGY'92』もそんなデモテープの1曲であった。
アルバイトの傍らデモテープをレコード会社に送付する毎日…CBS/Sony等の新人発掘オーディションをきっかけにデビューの話もあったという。
ところが大黒摩季が身を預けたのは音楽雑誌に小さく載った音楽事務所であった。オーディションで長戸大幸から『良いものは持ってると思うからウチでコーラスやってみれば?』それはデビューを餌に大黒摩季を獲得しようとする大手レコード会社とは異なる回答だった。
面白そうだなと始めたコーラス活動は長い下積みとなった。余りにもデビュー出来ないのでスッパリ辞めて海外に放浪の旅に出ていた。
そんな大黒の元に長戸大幸から連絡が入りデビューさせるとの内定を受けたため帰国。
1992年にテレビ朝日系ドラマ主題歌『STOP MOTION』でデビューするに至った。
デビューシングルとミニアルバムを制作したのだが全くもって売れなかったので大黒摩季プロジェクトは終了することになっていた。
失意の大黒摩季がスタジオが入るビルのエレベーターホールで偶然再会したのが広告音楽制作会社ミスターミュージックの代表吉江一男氏だった。
吉江氏は長戸大幸氏のもとにCMソング用の楽曲を調達すべく来社していたのだが、たまたまその日は曲にありつけなかった。
吉江氏はかねてより仕事で面識があった大黒摩季に『曲作ってよ』と長戸を通さずに楽曲をオファーする。
大黒としてもどうせもうプロジェクトは終わるんだしお世話になった人の依頼だからと軽い気持ちで請負う。楽曲を完成させて、馴染みのアレンジャー葉山たけしにオケを作ってもらい吉江氏に納品した。
クライアントのOKが出て大黒の楽曲が採用されることになったため、長戸大幸に事後報告という形で伝えられた。
大黒の勝手な行動に戸惑った長戸氏だったがCMソングとしてオンエアされることが決定した以上放置することもできずプロデュースに加わった。

https://youtu.be/nzUFQIx7sME

当時『ターミネーター2』で人気の俳優エドワード・ファーロングが出演する東洋水産『マルちゃんHOT NOODLE』CMソング『DA.KA.RA』は発売され、秋から年末にかけてロングセールスとなりなんとミリオンセラーを記録する。
この間大黒摩季はリリース活動を行っておらず、他のアーティストのコーラスに追われる毎日を送っていたという。
当然のことながら大黒摩季プロジェクトは再開され、3rdシングル『チョット』(大黒摩季唯一の織田哲郎提供作)も80万枚を超えるヒットになった。
わかりやすい例えとして長戸氏はドリカムがダンサブルなユーミンなら大黒はダンサブルな中島みゆきだと言ったとか言わないとか。

さて、そんな大逆転劇を演じた大黒摩季。
こちらは大黒摩季が1993年に発表した2枚目のアルバム。
『DA.KA.RA』『チョット』の大ヒットのあとの作品であり控えめに全10曲になっているものの非常に作り込まれている印象。数あるデモから厳選したといった感じではないだろうか。

全10曲のうち織田哲郎、葉山たけしがそれぞれ1曲ずつ作曲提供しているものを除けば全て大黒摩季が単独で作曲している。
そうこの人はピアノをやっていたから作曲が得意なのだ。
若い頃からたくさんの楽曲を聴いてきたから引き出しが多く、性格なのだろうか妙にスタンダードなコード進行かと思えば時に奇抜なコード進行やメロディー選択をする。
コーラスの仕事をしてきたという自信もあるのでしょうね、自身の作品でもコーラスワークは抜かりありません。
今回からほぼ専門になった編曲家葉山たけしとはビーイング脱退の1999年そしてその先の数年制作を共にすることになる。

また、このアルバムと同時発売で今作未収録の4thシングル『別れましょう私から消えましょうあなたから』を発売、66.7万枚のヒットになっている。
同年WANDSがアルバム『時の扉』とシングル『愛を語るより口づけをかわそう』を同時発売しており、ZARDもアルバム『君がいない』とシングル『揺れる想い』を同時発売する予定だったが、アルバム『君がいない』が延期しタイトルも『揺れる想い』に変更したので実現はしなかった。
同時発売はビーイングの戦略だったのでしょう。

個人的評価:★★★★★★★★★⭐︎ 9


Greatest Hits 1991-2016~ALL Singles+~ (STANDARD盤)
大黒摩季
ビーイング
2016-11-23




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