Ring 1st Album
TEEN'S RING
TRUE KiSS DiSC ROJAM / Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
1999年7月22日発売(CD : AICT 1091)

▼カタログ
廉価版:2013年9月11日発売(CD : MHCL 30159)TRUE KiSS DiSC - GTmusic / Sony Music Direct (Japan) Inc.

Ring

Produced by Tetsuya Komuro
最高59位・5010枚

TL

1. MY TODAY, MY TOMORROW
(作詞:前田たかひろ・作曲:編曲:松尾和博・中国語訳:Alec Huang)
(C) 1999 Sony Music Artists, Inc.
日本語ヴァージョンがボーナス・トラックとして収録されている。

2. a walk in the park
(作詞:作曲:小室哲哉…編曲:松尾和博・中国語訳:Amos Ma)
(C) 1996 AVEX MUSIC PUBLISHING & RISING PUBLISHERS
安室奈美恵さんのミリオン・セラー・シングル曲のMandarin歌詞でカバー。
カラオケのような音にびっくり。


3. あの日、見えた空
(作詞:HIROSHI・作曲:溝口和彦・編曲:松尾和博・中国語訳:Alec Huang)
(C) 1999 Sony Music Artists, Inc.
アルバム新曲。Mandarin歌詞。

4. Process
(作詞:作曲:編曲:小室哲哉・中国語訳:Yoko Yau)
(C) 1998 TV TOKYO MUSIC INC.
1998年4月23日発売の1stシングルのMandarin歌詞 Versionになっている。日本語ヴァージョンはボーナス・トラックとして収録されている。

5. minamo
(作詞:前田たかひろ・作曲:編曲:松尾和博・中国語訳:Alec Huang)
(C) 1999 Sony Music Artists, Inc.
アルバム用新曲で作編曲は松尾和博さん。
アコースティック・ギターに乗せて優しく歌う。意外にも期待を裏切られる良い曲。


6. DIARY
(作詞:HIROSHI・作曲:編曲:松尾和博・中国語訳:Alec Huang)
(C) 1999 Sony Music Artists, Inc.
アルバム用新曲。なんかズレてる。

7. ONE, TWO STEP
(作詞:MARC & TK・作曲:小室哲哉・編曲:小室哲哉 & 久保こーじ・中国語訳:Yoko Yau)
(C) 1998 Sony Music Artists, Inc.
1998年7月23日発売の2ndシングルのMandarin歌詞ヴァージョン。日本語歌詞ヴァージョンはボーナス・トラックとして収録。

8. I'm proud
(作詞:作曲:小室哲哉・編曲:松尾和博・中国語訳:Mickey Huang)
(C) 1996 Burning Publishers Co., Ltd. & NBCUniversal Entertainment Japan LLC
華原朋美さんのミリオン・セラー曲をMandarin歌詞でカバー。トラックがカラオケの様でとっても残念な感じ。

9. PRIVATE PARADISE
(作詞:前田たかひろ・作曲:小室哲哉・編曲:松尾和博・中国語訳:Yoko Yau)
(C) 1998 Sony Music Artists, Inc.
1998年11月11日発売の3rdシングルのMandarin歌詞ヴァージョン。

Bonus Tracks

10. Process (Japanese Version)
(作詞:作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1998 TV TOKYO MUSIC INC.
1998年4月23日発売の1stシングル。最高14位、7.1万枚。テレビ東京系『アサヤン』オープニングテーマ。
小室さんのアジア戦略のひとつとして大々的にプロデュースを手がけたRing(リン)
個人的にはTKサウンド炸裂のこの曲はかなり好きなんですね。小室さん曲はあてがわれるアーティストによって運命が変わってしまうようなところがありますよね。これって歌詞を直して円谷憂子のTKプロデュース3枚目にしたほうがよかったのではないでしょうか?絶対にあっちの方が合っているし、TKプロデュースのアルバムの可能性もあったのに。


11. ONE, TWO STEP (Japanese Version)
(作詞:MARC & TK・作曲:小室哲哉・編曲:小室哲哉 & 久保こーじ)
(C) 1998 Sony Music Artists, Inc.
1998年7月23日発売の2ndシングル。最高30位、2.2万枚。
曲の雰囲気的に、あみとかtohkoが歌いそうな感じ。


12. PRIVATE PARADISE (Japanese Version)
(作詞:前田たかひろ・作曲:小室哲哉・編曲:松尾和博)
(C) 1998 Sony Music Artists, Inc.
1998年11月11日発売の3rdシングル。最高27位、2.5万枚。日本ヘラルド映画 『始皇帝暗殺』主題歌。
前2作とは全然タイプが違うバラード。当然映画のタイアップに合わせて作られたと思うのですが、TKは編曲にクレジットされておらずもうやる気をなくしていたのかな?と。


13. MY TODAY, MY TOMORROW (Japanese Version)
(作詞:前田たかひろ・作曲:編曲:松尾和博)
(C) 1999 Sony Music Artists, Inc.
オープニング曲の日本語歌詞ヴァージョン。
まさにボーナス・トラックですね。残念なほうのボーナス・トラックだなと。
でもこれってシングル候補だったのかな?


RV




1999年に発売されたRing(リン=林)の1stアルバム。名義上のプロデューサーは小室哲哉。
1997年にオーディション番組『小室魔力』で見つけたRingは1998年に小室哲哉フルプロデュースの楽曲『Process』でSony Musicからデビューした。
小室さんの恩師である丸山茂雄さんの手により、のちに稼働するレーベルSMEJ Associated Recordsの部署であったが、まだ正式に発足していなかったため当初はSony Music Entertainment (Japan) Inc.をレーベルとして使用していたこともある。ちなみにSMEJ Associated RecordsはEpic/Sony Recordsから派生して産まれたレーベルなので実質Epicなのです。初期はPOSコードもEpicの4988010を使っていました。SMEJ(Sony Recordsの流れ)は4988009になります。

時は1998年。小室さんにとって様々な変化が起きていた1998年を簡単に振り返ってみようか。

最も大きな変化は小室ファミリーを支えてきたエイベックスとの微妙な距離感、いや正確には両者の間に溝ができてしまったことではないだろうか。
自身がメンバーとして活動していたglobeは継続したがhitomiやTRFのプロデュースを終了し距離が出来始めます。安室奈美恵さんは出産、育児のため産休中。

小室さんはポニーキャニオンと組んでtohkoや未来玲可のプロデュースを開始したり、自身の古巣であるSony Musicと組んでKiss Destination、Ring 、鈴木あみなどをプロデュースします。つまり非エイベックスとの交流を深めていったのです。

恋人だった華原朋美さんの移籍先はエイベックスではなくワーナーになりました。当時華原さんのマネジメントはエイベックスの音楽出版社だったプライムディレクションというところが関与していましたから、華原さんはエイベックスに移籍という流れでも良かったと思うのですがね。

もしかしたら小室さん本人も華原がここまで早く失速するなど想像もしていなかったかもしれません。まだ金になると踏んでいたのかも。
次第に二人の関係も冷めて行き、華原さんとの別れ。dosのasamiとの交際。切り替えが早い小室さん。

余談になりますが、小室さんに捨てられた華原さんはワーナー期に松浦勝人及びエイベックスチームのプロデュースを受けシングル『as A person』『be honest』『Believe In Future 〜真夜中のシンデレラ〜』『Blue Sky』4枚とアルバム『One Fine Day』1枚を発売していたりします。

1998年…プロデューサー小室哲哉としては既に旬が過ぎていたのかもしれません。だからこそASAYANで見つけた鈴木あみの怒涛のリリース攻勢、それに応えるかのように結果を出したあみの姿が印象的でした。
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Ringのプロジェクトは小室さん悲願のアジアプロジェクトの一環として結構本気だったと思いますし、ソニー・ミュージックも異例の宣伝体制で小室さんを支えたと思いますが、全く結果が出ませんでした。デビュー曲『Process』は作詞、作曲、編曲まで小室さん自身が担当しています。
2ndシングルは作曲、編曲に携わっていますが弟子の久保こーじさんを編曲に引っ張ってきており、もはや危険信号。3rdシングルにいたっては作曲のみで共同編曲ですらありません。
同時期に鈴木あみがスマッシュ・ヒットしていましたからね。 やっぱり結果が出るほうが面白いんでしょうか…。
Ringに関してはシングル3曲とカバー曲を除くと小室さん全くタッチしていません。
手抜き云々の前にやる気がなかったとしか思えませんよね。出来はちょっと酷いかなと。

この年の師走はエイベックスの強いプッシュが実り、ヒットを連発していたEvery Little Thingの活躍、浜崎あゆみの1st Album発表、宇多田ヒカルが注目を浴び始めたりと動きがある月だった。
小室さん自身も産休明けの安室奈美恵さんのシングル『I HAVE NEVER SEEN』の作詞作曲とプロデュースをしている。

Ringの大失敗を目撃していたエイベックス松浦勝人は小室さん同様アジアに目をつけ、韓国からBoAをピックアップしてデビューさせた。
BoAは初めから売れたわけではなかったし、それほど期待されている風でもなかった。本人が日本語やダンスを頑張って努力したというのもあるけど次第に認知されていったよね。
そういう意味では小室哲哉プロデュースと煽られてすぐに結果を求められたRingは気の毒だったかもしれない。

小室さんにとっても暗黒期への入口だったのかもしれない。
これを聴いてみて同時期に出た未来玲可のアルバムが聴いてみたくなった。

個人的評価 ★★★★★★☆☆☆☆ 6


TEEN'S RING
Sony Music Direct(Japan)Inc.
2013-09-11