井上陽水 Cover Album
9.5カラット
FLME
フォーライフミュージックエンタテイメント
2019年6月26日発売(CD : FLCF-5077)
UHQCD仕様、2019年リマスタリング

※オリジナル盤の発売年1984年をカテゴリでは設定しています。

▼カタログ
・オリジナル盤:1984年12月21日発売(LP: 26K-81 / CT: 26C-62 / CD: 35KD-4)
・メーカ企画・1990年2月21日発売(CD: FLCF-29035)
・リマスター・2001年5月30日発売(CD: FLCF-3855)
・SHM-CD:2009年3月25日(CD: FLCF-5008)

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提供曲のカバーアルバム

最高1位・114.7万枚

TL

1. はーばーらいと
(作詞:松本隆・作曲:井上陽水・編曲:星勝)
(C) 1977 FUJI PACIFIC MUSIC,INC.

1977年7月10日発売の俳優、水谷豊のデビュー曲。

2. ダンスはうまく踊れない
(作詞:作曲:井上陽水・編曲:久石譲)
(C) 1977 FIRE MUSIC PUB.

1977年4月21日発売の石川セリのシングル。
1982年7月21日発売の高樹濡のシングル。
このイントロは幼い頃の記憶にはっきり残っています。なんとなく怖かったの。


3. TRANSIT
(作詞:松任谷由実・作曲:井上陽水・編曲:星勝)
(C) 1984 FIRE MUSIC PUB.

1984年8月25日発売の小林麻美のシングル『哀しみのスパイ』カップリング。
作詞を担当したのは、あの松任谷由実。
まったりしてて心地良い。由実さん特有の絵が見える歌詞です。


4. A.B.C.D.
(作詞:作曲:井上陽水・編曲:星勝)
(C) 1982 FIRE MUSIC PUB.

1982年発売の沢田研二のアルバム『MIS CAST』収録曲、このアルバムは全曲を井上陽水が作詞作曲しているそうです。
最後の部分は憶えています。


5. 恋の予感
(作詞:井上陽水・作曲:玉置浩二・編曲:萩田光雄)
(C) 1984 UNIVERSAL MUSIC PUBLISHING

1984年10月25日発売の安全地帯の7thシングル。(最高3位、43.6万枚)
引き込まれるようなイントロのシンセに溶け込んでゆく陽水さんの美声。
安全地帯が井上陽水さんのバックバンドをしていた縁で安全地帯の作品に陽水さんが作詞提供しています。彼等のの上京を後押ししたのも陽水さんだったそうです。
う〜ん…やっぱり玉置浩二のメロディーってどこか郷愁を誘うというか滑らかに心に迫るものがありますよ。
玉置浩二さんの才能が世の中に知れ渡ることになるわけですが、その立役者の一人は陽水さんなのかもしれませんね。
萩田先生のアレンジも歌謡曲テイストを混ぜ込んである感じが良い味ですね。


6. いっそ セレナーデ
(作詞:作曲:井上陽水・編曲:星勝)
(C) 1984 FIRE MUSIC PUB.

1984年10月24日発売の自身のシングル。最高4位、35.3万枚。サントリー 角瓶 CMソング。
なんだろうな…メロディーは好きですけど記憶の中の悲しい部分に触れてくるというか、荒野をひとり彷徨ってるような感覚になる。
幼い頃から親の顔色ばかり気にするような子供になっていったから子供らしい素直な感情をいつしか閉じ込めたんだ。
星勝さんというと浜田省吾や尾崎豊といったロックのイメージが強くてこの世界観は意外だった。


7. 飾りじゃないのよ 涙は
(作詞:作曲:井上陽水・編曲:久石譲)
(C) 1984 FIRE MUSIC PUB.

1984年11月14日発売の中森明菜の10thシングル。
個人的に一番馴染みがあるのは中森明菜版なわけですが、陽水さんカバーってタイムラグがほとんどなかったんですね。
しかしあの久石譲さんがこんなアレンジをするなんてびっくりですよ。


8. からたちの花
(作詞:流れ星犬太郎・作曲:井上陽水・編曲:星勝)
(C) 1983 FIRE MUSIC PUB.

1983年11月発売の樋口可奈子のアルバム収録曲。作詞は糸井重里。
オリジナルは知りません。っていうか樋口さんが歌手やってたなんて知らないし。
現在の若い子は内田有紀が歌手やってたって知ってるのかな?(笑)みたいな。
昭和感あるなぁ。でもこういうの嫌いじゃないよ。ストリングスか三味線かの違いだけで微妙に演歌だよね。


9. ワインレッドの心
(作詞:井上陽水・作曲:玉置浩二・編曲:萩田光雄)
(C) 1983 UNIVERSAL MUSIC PUBLISHING

1983年11月25日発売の安全地帯の4thシングル。(最高1位、71.4万枚)
玉置浩二すげえ!的な。もちろん陽水さんの描写力もすごいわけですが。


Credit
Drums : 上原裕
Bass : 中村裕二、高水健司
Guitar : 土方隆行、芳野藤丸、矢島賢、武沢豊
Synthesizer : 川島裕二、土岐英史、久石譲
Violin : 篠崎正嗣
Strings : 多グループ、加藤ストリングス
Chorus : 井上陽水

Front Cover Photo : 舛岡秀樹

2019ver. Staff
Mastering : Ted Jensen (STERLING SOUND)
Mastering Assistant : Justin Shrurtz (STERLING SOUND)

RV

9.5カラット
井上 陽水
フォーライフミュージックエンタテイメント
2019-06-26



【ライター陽水のベストセレクションをシンガー陽水が唄うスペシャル・プレゼント・アルバム!】
LP盤の帯に記された紹介文です。

ということで1984年発売のこの作品は井上陽水さんが他者に提供した楽曲をカバーしたアルバムということになります。
ただ『いっそセレナーデ』という曲は例外でオリジナルがご本人なので、タイトルも9.5カラットということにしたそうです。
カバーアルバムながらミリオンセラーを記録!(レコード、カセットテープ、CD)
井上陽水さんはオリジナル作品で『氷の世界』(1973年)、ベスト作品では『GOLDEN BEST』(1999年)でそれぞれミリオンセラーを記録している。また、今作は第27回日本レコード大賞アルバム大賞受賞作品です。(昭和60年、1985年)
2019年にデビュー50周年記念としてカタログ化、マスタリング・エンジニアTed Jensen氏による最新リマスター、アルティメット・ハイクオリティCD仕様。(Blu-spec CD2みたいなものでCD規格に準拠しています)

それはたぶん子供の頃のこと。小学生ですね。
母親がスーパーへの買い物や用事で出掛けるとき、姉と一緒について行く車のステレオから一時期ずっと流れていたのがこの作品だと思います。
母に聞いたことはないけど、きっと母親が井上陽水を好きだったんじゃないかな…思えばこのジャケット写真のカセットテープがありました。あとアルフィーのテープもありました。

自分と母親は決して不仲ではなかったと思うけど、特別仲良しだったわけでもないと思います。
母親は若くして結婚したので、遊ぶ期間がないまま子育てに入りました。僕を産んだのが22歳ですからね…早いですよ。
僕は男も女も…女の人は特に、遊びの期間を経ることは大切なことだと思います。良いことも悪いことも経験になるじゃないですか。納得できるというか。
きっと母親は早く結婚したことを後悔したと思います。(なんとなくね)
ほとんどのゲイにとって母親は一生のうちいちばん長く一緒にいる『異性』で、結婚して嫁をもらうわけでもないので、ほぼ唯一といっていいくらい一番近い女性。

当時は何の意識もなく聴いていて、耳に馴染んでいたけれど、自分にも好きな音楽があるように彼女にもそういうものがきっとあったんだろうな、と思います。
結婚したことで趣味に割く時間は削られて色々諦めてきたものもあったのかも知れないと思うと少しせつなくなります。
でもその分、息子がこんなに音楽好きになっちゃってね…すいません。

私にとってこのアルバムは、どこかノスタルジーを感じるそんな一枚なんです。
自分の意思で選んだわけではなく、たまたま親が聴いていたものを聴き、いつの間にか記憶にリンクされていた。
母は通しで聴いていたから、子供ながらに退屈な曲は飛ばしたくなるのですが『恋の予感』『いっそ セレナーデ』までくるのが楽しみだったような気がする。
カバーアルバムなのだけど、陽水カラーというものが強くてオリジナルが霞んでしまいそうなくらい。(知らないものもあるけど)

いま、昭和に脚光が当たっていますよね。
昭和の名盤として手にとってみても損はありません。素晴らしい出来。素晴らしい声。
最新のリマスターのおかげか、非常に音が整えられていて、絶妙な音圧で聴きやすかったです。こういうリマスターがきっと良いんだろうな。

正直同時期の大江千里さんの作品のリマスターは雑なんだなと思い知らされた。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9.5


9.5カラット
井上 陽水
フォーライフミュージックエンタテイメント
2019-06-26