ZARD 2nd Studio Album
もう探さない
b.gram ポリドール株式会社
1991年12月25日発売(CD : POCH-1111 / CT : POTH-1111)

▼カタログ
・30th Anniversary Remastered (CD : JBCJ-9070・B-Gram)2021.9.15
・BOX(12CD : JBCD-2012)2012.1.1
・発売元移管(CD : BGCH-1004・B-Gram)販売元 POLYDOR.K.K.→J-DISC

mousagasanai

Produced by 長戸大幸(Being)
最高36位・約33.3万枚

TL

1. 不思議ね…
(作詞:坂井泉水・作曲:織田哲郎・編曲:明石昌夫
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

1991年6月25日に発売された2ndシングル。最高30位、3.1万枚。
日本テレビ系『マジカル頭脳パワー』エンディングテーマ。
コーラスは大黒摩季、栗林誠一郎。


2. もう探さない
(作詞:坂井泉水・作曲:織田哲郎・編曲:明石昌夫)
(C) 1991 TV Asahi Music Co.,LTD. & Be Kikakushitsu

1991年11月6日発売の3rdシングル。最高39位、3.7万枚。
テレビ朝日系ドラマ『七人の女弁護士』主題歌。
1st Seasonの主題歌は浜田麻里さんが担当しており、当時浜田さんはビーイングを離脱しているものの、坂井泉水さんにとっては先輩にあたる。


3. 素直に言えなくて
(作詞:作曲:坂井泉水・編曲:明石昌夫)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation & Be Kikakushitsu

シングル『不思議ね…』カップリング曲。アレンジは激しめなロックであるが、メロディーの一部が彼女がカバーしたこともある『This Masquarade』にどことなく似ている。
没後に岡本仁志アレンジによる『素直に言えなくて featuring Mai Kuraki』がシングル表題曲として発売された。原曲に忠実ではあるがシンセの音色を加えるなどしてメリハリをつけていて仕上がりは悪くない。


4. ひとりが好き
(作詞:坂井泉水・作曲:栗林誠一郎・編曲:明石昌夫)
(C) 1991 Be Kikakushitsu

アルバム『HOLD ME』に入っていたとしても違和感がない良質なZARDポップスの典型。
後追いのリスナーでも十分に満足できる曲に仕上がっている。
コーラスは大黒摩季。


5. Forever
(作詞:坂井泉水、作曲:川島だりあ・編曲:明石昌夫)
(C) 1991 Be Kikakushitsu

曲全体にエレキギターが入ってるのでロック色の強い1曲です。川島だりあさんが得意としていた雄大なアメリカン・ロックです。
声の感じからコーラスは大黒摩季ですね。


6. Lonely Soldier Boy
(作詞:坂井泉水・作曲:栗林誠一郎・編曲:明石昌夫)
(C) 1991 Be Kikakushitsu

ギターのうなりで始まりキックで盛り上げてゆく打ち込みのハードロック。
ミュージシャンの記載はないのだけど、のちに大黒摩季が選曲した自身がコーラスしたZARD曲のプレイリストにあるので、セクシーさを演出するコーラスは大黒摩季となる。


7. いつかは…
(作詞:作曲:坂井泉水・編曲:明石昌夫)
(C) 1991 Be Kikakushitsu

本人作曲のロッカ・バラッド。
彼女の没後に多くの人の心を打った印象的な歌詞の曲。
いつかは情熱も記憶の底へ
愛し合う二人もセピアに変わる

Baby Baby don't you cry
忘れないで ずっと
あなたの中に生き続けるわ

Baby Baby don't you cry
Mm…


RV

もう探さない 【30th Anniversary Remasterd】
ZARD
ビーグラムレコーズ
2021-09-15



ZARDの2ndアルバム。
デビュー曲『Good-bye My Loneliness』がスマッシュ・ヒットした翌月には同名の1stアルバムを発表し、順調かのように思われたいた彼女の夢。
ところが今作に収録されている2ndシングル『不思議ね…』と3rdシングル『もう探さない』が残念な結果となってしまったのです。
どちらもテレビとのタイアップでしたが、デビュー曲のようなヒットとは程遠かったのです。
これは憶測ですが長戸さんの頭にはかねてからのバンドブームからの女性ヴォーカルのロックというイメージがあったのではないでしょうか。
昔ビーイングにいた月光さんがプロデュースしていたLINDBERGやヤングジャパンの森高千里、かつてビーイングにいた浜田麻里といったガールポップの唸りを敏感に感じ取った結果、ZARDをポップに転換していったと思うのです。
もちろんフォーライフが送り出した今井美樹の存在も忘れてはいないでしょう。

その手始めが『不思議ね…』で、大ヒットした後のZARDのイメージに近い作風です。カップリングでは正反対のロックなんですけど。これが長戸大幸のアンチテーゼを駆使した手法です。
『もう探さない』はドラマに合わせて作っていると思われますが、メロディーは王道でギターとサックスがロック感を演出しています。カップリングは哀愁のあるスローソングです。
今作はアレンジャーは全て明石昌夫ですが、アルバムとしての統一感はありません。同じように全曲明石昌夫が編曲している『OH MY LOVE』は驚くほど統一感があります。

のちのZARDサウンドに繋がる『不思議ね…』『ひとりが好き』、ロックの香りを漂わせた『素直に言えなくて』『Forever』『Lonely Soldier Boy』『いつかは…』
ロックでデビューしたのでその路線とビーイング風のJ-Popが混在していることからも、プロデューサーの中でも彼女をどうプロモートしてゆけば良いのか試行錯誤していたのかもしれません。
もちろん激しさと静けさという対極を意図的に演出していた面もあるかと思いますが、どちらをメインにしてゆくかは定まっていなかったのではないでしょうか。
次のシングル『眠れない夜を抱いて』、アルバム『HOLD ME』でその答えは出ます。
そのような意味からもこのアルバムはZARDにとっての一つの分岐点だったのかもしれない。
半年後にデビューを控えた大黒摩季がコーラスで参加している点も押さえておきたい。

流通された時期によって収録内容(ミックス調整)に違いがあることも知られている。ZARDのマニアな人たちのサイトに詳しく載ってます。

個人的評価 ★★★★★★★★★☆ 9






【SINGLE】
1. 『不思議ね…』
C/W 『素直に言えなくて』

2. 『もう探さない』
C/W 『こんなに愛しても』

ZARD特集はこちらです!