宇徳敬子 1st Studio Album
砂時計
ZAIN RECORDS 発売元:株式会社ヅァインレコーズ
販売元:パイオニアLDC株式会社→株式会社ジェイディスク
1994年10月10日発売(CD : ZACL-1014)
(P) 1994 Being,Inc.

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Produced by B.M.F
Executive Producer : 吉江一男 (Mr. Music) 、B.M.F
Special Thanks to 細野義朗 (Stardust Promotion)

最高1位・約40.5万枚

TL

1. 夏の日の恋
(作詞:作曲:宇徳敬子・編曲:池田大輔)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & Mr.Music

1stシングル『あなたの夢の中 そっと忍び込みたい』カップリング。
ソロ名義の作品において初めて宇徳敬子が自身で作詞作曲を手がけた曲。
挿入される効果音が穏やかで平和なひとときを感じさせている。


2. きれいだと言ってくれた
(作詞:作曲:川島だりあ・編曲:池田大輔)
(C) 1991 MediaPulpo

関西テレビ系ドラマ『ホテルウーマン』サウンドトラックより。
ソロデビュー前に発表されていた曲を再録音して収録。
あまり描かれることのない切り口かなと。浮気している旦那を知りつつも、小さな命(赤ちゃん)を支えに愛をやめない女性の歌。


3. まぶしい人
(作詞:宇徳敬子・作曲:栗林誠一郎・編曲:葉山たけし)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & Mr.Music

1993年12月8日発売の2ndシングル。最高14位、20.8万枚。JR東海 東京キャンペーンCMソング。アルバムタイトルの『砂時計』のフレーズが入っている曲。
宇徳敬子のシングルとしては最大のヒット作になっている。


4. どこまでもずっと
(作詞:作曲:宇徳敬子・編曲:明石昌夫
(C) 1994 NICHION,INC.

1994年7月日発売の4thシングル。最高25位、9.8万枚。TBS系『COUNT DOWN TV』
タイトル曲での作曲はこれが初。コーラス栗林誠一郎。
トレードマークだったロングヘアをバッサリ切ったジャケットが印象的だった。
カップリングの『あなたに会いたい』は作曲が大黒摩季さんだったのですが、紅茶花伝のCMソングだったことを鑑みると、大黒摩季さんのデモテープを持っていた吉江一男さんが宇徳さんに歌わせたのではないかと想像します。


5. 蒼い時刻(とき)
(作詞:作曲:宇徳敬子・編曲:池田大輔)
(C) 1994 Be Kikakushitsu

本人作。彼女の声のダイナミックさが活かされたバラード。
もともと今アルバムのタイトルは『蒼い時刻(とき)』と案内されていたので、実質的なタイトル曲といえるかもしれない。


6. 愛さずにはいられない
(作詞:宇徳敬子・作曲:多々納好夫・編曲:池田大輔)
(C) 1994 NICHION,INC.

1994年3月16日発売。最高10位、14.7万枚。TBS系 '94 世界フィギュアスケート大会 テーマ曲。ほんのり乙女チックな歌唱になっている。
シングルのジャケットが厚紙仕様だったのを朧気に憶えています。



7. FARAWAY
(作詞:作曲:宇徳敬子・編曲:明石昌夫)
(C) 1994 Be Kikakushitsu

アルバムの中では1、2を争うくらいに好きな曲でした。壮大なせつなさを感じます。
明石アレンジがやっぱいいんだよね。


8. 坂道
(作詞:作曲:宇徳敬子・編曲:池田大輔)
(C) 1994 Be Kikakushitsu

マイナーなミディアムロック。メロディーはどこか歌謡曲の影響も感じる。
本人のコーラスが重厚。


9. Good-by morning
(作詞:庄野真代・作曲:中島薫 C.A.・編曲:長戸大幸)
(C) 1976 Yamaha Music Entertainment Holdings, Inc.

70年代の曲のカバー。1992年に宇徳敬子 & 近藤房之助としてカバーしてシングルリリースし20万枚ヒットとなっているが、ここに収録されているものは再録音。
作曲の中島薫さんはアムウェイのディストリビューターでクラウン・アンバサダー(当時)で、長戸大幸プロデューサーと旧知の仲で親しい間柄である。


10. あなたの夢の中 そっと忍び込みたい
(作詞:宇徳敬子・作曲:織田哲郎・編曲:葉山たけし
(C) 1993 Be Kikakushitsu & Mr.Music

1993年8月4日発売の1stシングル。最高17位、13.5万枚。NTT DoCoMo ポケットベルCMソング。
『このまま君だけを奪い去りたい』と同じタイアップだった。サビの盛り上がりにいまいち欠けるため、大ヒットには至らなかった。葉山さんがアレンジするのならもっと『ビーイング仕様』にしてもよかったと思うのだけど、渋すぎるアレンジになった。


Musicians
Drums : 渡嘉敷祐一
Bass : 明石昌夫、岡沢章、岡沢茂、渡辺直樹
A.Guitar : 吉川忠英
E. Guitar : 増崎孝司、葉山たけし、鈴木英俊、中島正雄
Piano : 富樫春生、中西康晴、難波弘之
Sax : 勝田一樹 from DIMENSION、古村敏比古
Cor Anglais : 槇智子
Chorus : 栗林誠一郎、宇徳敬子



RV

宇徳敬子1stアルバム。40万枚を超えるヒットになった。

1991年2月14日、B.B.Queensのコーラス隊Mi-ke(みけ)のメインヴォーカルとしてデビューした宇徳敬子。このグループはスターダストプロモーションに所属する3人の女性がオーディションで選抜された。
ZARDのヴォーカリスト坂井泉水が見送りとなったオーディションとしてもよく知られる。

この二人は共通点が多い。どちらもグラビア・モデルの経験があり、事務所はスターダストプロモーションだった、顔立ちが整いスタイルもなかなかなもの。
ビーイングのプロデューサーは二人が同じグループ(Mi-ke)にいたら個性を打ち消しあってしまうと考えたくらいだという。
でもこの二人には決定的な違いがある。宇徳さんの声は一点の曇りもない伸びがある。きれいで上手く聴こえるでしょう。
一方、坂井さんの声には哀愁さがコードのように付随してくる。透明感のある声とかよく言われていたけれど僕は坂井さんの声からは哀しい響きを感じていたけれどね。
アイドルとして売るなら前者の方に分があるといえるので宇徳敬子さんに決まったのは当然の成り行きだと思いますし、宇徳敬子さんにはZARDはできなかったと思います。
Mi-keはコンセプトとなるオリジナルのシングル曲を発売して、それにまつわるカバーアルバムを発表するというスタイルで作品を発表していたので2年の活動期間にもかかわらず相当数をリリースしている。

そんな宇徳敬子がソロ活動を開始したのが1993年初夏のこと。
今作にも収録されているデビュー曲『あなたの夢の中 そっと忍び込みたい』のカップリング曲『夏の日の恋』では作詞のみならず作曲もしており(厳密にはMi-ke時代にケーリンという名で作曲していた)方向性としてはソングライトも行うアーティスト路線だったのでしょう。
このアルバム10曲のうち8曲で作詞、5曲で作曲まで自らやっている。

先にも触れているようにこのアルバムは当初、『蒼い時刻(とき)』というタイトルで注文が取られていた。ジャケットもブルー、宇宙をベースにしたものだった。
本当に直前になって、急遽タイトルの変更とジャケットの差し替えが行われている。

楽曲は王道(ポップス)でアレンジはアコースティック色が強く、ビーイング系のそれとは少し距離がある印象。参加しているミュージシャンもいわゆる現在の大御所たちなので、音的には聴きやすいといえば聴きやすいですけどね。
彼女の声が最大限活かされた作品に仕上がっている。
得意とするコーラスもほとんどを自身で手がけており、アーティスト宇徳敬子を印象付けている。

高校の頃でしたけど、購入後らよく聴きましたよ。
秋、冬によく合う作品だなと思います。『FARAWAY』『坂道』は特にお気に入りでした。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9