松田樹利亜 2nd Studio Album
JULIA II(ジュリア・ツー)
wea japan / HUMMING BIRD
WARNER MUSIC JAPAN,INC.
1995年3月25日発売(CD : WPC4-7006)

Produced by Keisuke Tsukimitsu
All Chorus Arranged by 井上龍仁(月光恵亮)
最高9位・約12.1万枚

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1. Rain
(作詞:松田樹利亜、みかみ麗緒・作曲:Joey Carbone, Dennis E Belfield・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

1994年4月27日発売の4thシングル。最高19位、6万枚。テレビ朝日系『リングの魂』オープニングテーマ。
イントロダクション〜SEを挟み、力強いサビが展開される。サウンドは田村直美あたりを連想させ、パブリックならではの曇った質感だよね。


2. 泣き顔さえも愛しなさい
(作詞:田村直美・作曲:須貝幸生・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

そうか…こういう路線にいくのね。よりロックにスタイルを変えてゆく。

3. Feel So Bad もの足りない
(作詞:作曲:松田樹利亜・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

本人作曲によるハードなロックナンバー。もはや迷いはない!あたしはあたし!そんな雰囲気さえ感じる。
90年代を彩ったオーケストラル・ヒットもしっかり入ってて。


4. 負けないBroken Heart
(作詞:みかみ麗緒、松田樹利亜・作曲:大内義昭・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1994 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

1994年10月25日発売の5thシングル。最高14位、5万枚。エースコック スーパーカップ イメージソング。
小比類巻かほるの『TONIGHT』によく似ているけれど、それもそのはず。作曲家が同一人物。小比類巻かほるが歌ってもおもしろかったかもね。このアルバムに入ってる『本日快晴』も系統的に近い。


5. Underground Train
(作詞:松田樹利亜・作曲:Joey Carbone, Dennis E Belfield・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC
ガラッと変わって通勤?通学?電車中の片想いを歌う。
滑らかなメロディーを気持ち良さそうな松田樹利亜のボーカルが彩る。これも田村直美に聴こえちゃう。


6. いとしさに凍えて眠れない
(作詞:みかみ麗緒・作曲:佐々木真里・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 GLOBAL MUSIC

こうして聴き進めてくると、松田樹利亜って姉御系のボーカルスタイルなのね。KIX.Sの浜口司とかああいう感じ。

7. 生まれたままの輝きみたい
(作詞:田村直美・作曲:石川覚門・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

『負けないBroken Heart』カップリング。
ロックナンバーの合間のオアシス的な?バラード。彼女って低音も高音もしっかり出せて、とっても上手なのね。


8. NEVER MIND
(作詞:松田樹利亜・作曲:Joey Carbone・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

ちょっと前にB'z聴いてたせいか、B'zの女性版みたいな感じの曲って感想。

9. MY RADIO
(作詞:松田樹利亜・作曲:Joey Carbone, Dennis E Belfield・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

ポップ寄り。

10. 本日快晴
(作詞:松田樹利亜・作曲:石川覚門・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

1995年2月25日発売の6thシングル。最高44位、2.5万枚。テレビ朝日系『さんまのナンでもダービー』エンディングテーマ。
この中ならシングルだろうな、って感じ。脈々と受け継がれてきたロック寄りの女性アーティストが好むフォーマットだよね。メロディーは王道です。アレンジでロックに寄せるんです。

未来を占う 天気予報があれば
少しは 気楽になれるよね


11. GET A GRIP
(作詞:田村直美・作曲:Joey Carbone・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

だんだんうるさくなってきた。(笑)
すごくノリの良い曲で嫌いじゃないんだけどもね。


12. 瞳を閉じていても
(作詞:みかみ麗緒・作曲:佐々木真里・編曲:須貝幸生、神長幸一)
(C) 1995 TV Asahi Music Co.,LTD. & GLOBAL MUSIC

だいぶお腹いっぱいだよ。





所属レコード会社ハミングバードの親会社ニチイ(のちのマイカルでその後イオンに吸収された)がワーナーミュージックにレーベルごと売却したため、ワーナーからのリリースとなった。
当初はwea japanレーベルのレーベル内レーベルとしてハミングバードも存続していた。

プロデュースは月光恵亮(つきみつけいすけ)氏。月光氏は現在の大手レコード・レーベルのひとつビーイング創業メンバーの一人で副社長であった。
とかくロックに強い人物で、初期のビーイングが異様にロックに強いのは彼がいたからであるともいわれている。
LOUDNESS、BOOWY(ビクター時代)、TROUBLE (のちのTHE虎舞竜)、浜田麻里、BLIZARDなどビーイングが輩出した顔ぶれを見れば一目瞭然。
創業者の長戸大幸氏は、それほどロックが好きではないそうだ。(本人談)
そんな月光氏が独立して立ち上げたのがパブリック・イメージという音楽制作会社。
ZIGGYやLINDBERG、PEARLなどをデビューさせているが、ビーイング系の全盛期(1991年〜)と時を同じくして次々と新人を投入している。
その中の一人が1993年に謎の美女としてデビューした松田樹利亜である。

アイドル出身でグループ活動も行なったが、内心納得できないものがあったのでしょう。彼女が志したのはロック・ボーカリスト。
そして、月光氏と出会うことになる。

ビジュアル展開や、その雰囲気からビーイング系のアーティストと混同する人もいたようだが(親戚みたいなものともいえなくもないが)別モノですよね。
月光氏は、ロックでありポップであることを制作のモットーとしてプロデュースを行います。
ZIGGYやLINDBERG、田村直美いずれもロックをベースにしつつも親しみやすいメロディーを使用していましたよね。
松田樹利亜に関しても基本的に方向性は同じです。

テレビ朝日ミュージックのバックアップもあり、デビュー以降、順調にタイアップが付いてシングル曲をスマッシュヒットさせた。
ちなみに、この時期テレビ朝日ミュージックは月光氏の故郷ともいえるビーイングとスターダストプロモーションと組んで元アイドルの高橋美鈴がボーカルのMANISHもバックアップした。
『だまってないで』のヒットの勢いで発表した前作『JULIA I』は21万枚を超えるヒットを記録する。
今作はその名の通り2ndアルバム。先行シングル『Rain』『負けないBroken Heart』『本日快晴』を収録した。
全体を通して松田樹利亜の高音と低音の絶妙なバランスを活かしたロック寄りのサウンド作りとなっていて、聴きやすいメロディーという一貫性がある内容になっている。
声量もあり、声の伸びが良く、若干ハスキーで姐御歌唱。この手のボーカリストが好きな人は絶対好きになるよね。個人的にはMANISHの美鈴さんのほうがボーカルスタイルは好きかな。
田村直美に似てるんだわ〜。田村ほどクセはないけどJuliaのほうが声量はあるかも。
共作もあるが、本人作詞が多くなっている。

90年代初頭、女性アイドルポップは時代遅れになり、多くの女性歌手はガールポップという新しい路線に活路を見出した。
かわいい、綺麗な女性が自ら作詞をするなどして、アーティスト然とした振る舞いで再生されるという例がいくらでもあった。
パブリックでいえば、渡瀬マキを筆頭に森下玲可(西田智美)、浅田真季は桜っ子クラブの桜まりえもリサイクル組。
クラスメイトのノンケはJuliaのルックスに夢中だったけれど、歌もちゃんと聴いてたよ。
ルックスもボーカルもJuliaの武器なんだからそんな気にすることないのに。
もしかすると松田樹利亜もそういう時代の流れ、リサイクルの流れにうまく乗ったと言えなくもないかも知れない。ただ、彼女の場合は、音楽に賭けていたんでしょうね。
パブリックから離れたあと、これまで何枚もアルバムを制作し、2020年の現在でも、まだ歌っている。

昨年末、フジテレビのドキュメンタリー番組でプロデューサー月光恵亮氏が出演していたという。
彼は覚醒剤で逮捕され、現在は執行猶予の身。
耳病が悪化したため音楽プロデューサーを引退することにしたそうだ。そして、デジタルアートのクリエイターとして再起を図るという。
その過程で、過去にプロデュースしたアーティストに会いに行った。
月光氏の成功の象徴だったLINDBERGの渡瀬マキには会えなかったものの、松田樹利亜にはライブに訪れ、会うことができた。プロデューサーだった自分の罪で楽曲を汚してしまったことを詫びた。
そんな月光氏を樹利亜は責めることはなく、感謝の気持ちは変わらないという。
現在の松田樹利亜が在るのは、間違いなくあの時代、月光氏のプロデュースを受けたからだろう。
アイドルから抜け出して理想に近づいていったんだものね。
単なる元アイドルのアーティストごっこなんかではない。それだけは言い切れる。

月光氏は、保有していたLINDBERGの版権は売ってしまったけど、Juliaや田村直美なんかの楽曲は手元に残しているようだ。

個人的評価:★★★★★★★★☆☆ 8


松田樹利亜オフィシャルウェブサイト