荒井由実 1st Studio Album
ひこうき雲
TOSHIBA EMI / EXPRESS
1973年11月20日発売

▼カタログ
アルファミュージック、東芝含め数多く出ているため直近のもののみ表記
・リマスター2000:2000年4月26日発売(CD : TOCT-10711)
・リマスター2013(40周年記念限定盤):2013年7月31日発売(CD & DVD : TOCT-29190)
・リマスター2013(40周年記念限定盤):2013年7月31日発売(LP & CD & DVD : TOJT-29190)
・期間限定再発:2013年10月2日発売(CD : TYCT-69031)ユニバーサルミュージック(※TOCT-10711と同内容)

arai1

Produced by Kunihiko Murai
最高9位・27万枚

TL

1. ひこうき雲
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

表題曲。シングル『きっと言える』のB面。もともとは別のシンガー用に書かれた作品だったという。
『あの子』の『死』を取り上げた悲しい歌で人によっては『自殺』を歌ってると解釈する者もいるとか。
実際は由実さんが多感な時期に直面した、難病の同級生の死への哀悼の意味があったようです。
由実さん自身は『(影響を受けた)プロコルハルムっぽい曲にレクイエム(鎮魂歌)が乗った感じ』と語っている。
2013年のジブリ映画『風立ちぬ』の主題歌として、若い世代の耳にも届いています。あの映画のために書かれた曲ではないし、戦争を歌った曲でもないけれど、あの世界観にフィットしちゃったんですよね。当時映画を観た年下の子たちが由実さんのことを賞賛していたなあ。


2. 曇り空
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

男性コーラスは、のちに旦那になる松任谷正隆氏。

3. 恋のスーパー・パラシューター
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

この年の9月に大ヒットしていたのが、南こうせつで有名なかぐや姫の『神田川』であることを念頭にこの曲を聴くと、ユーミンがいかに先をいってる人だったかが分かる気がする。
僕は四畳半フォークのあの世界観が苦手。貧乏フェイクっていうの?可哀想な自分に陶酔してるみたいに感じちゃうんだよね。あの時代ならではなのだと思うのだけど。
何年か前の苗場で、前の席の女性のふりをマネしてやったんだけど、妙に気持ちよかったわ。


4. 空と海の輝きに向けて
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1972 ALFA MUSIC

アルバム・バージョン。デビューシングル『返事はいらない』のB面に収録。
大サビでコーラスが入ってくるところが圧巻。


5. きっと言える
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

1973年11月5日発売の2ndシングル。

6. ベルベット・イースター
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

初めて聴いたのは、中古CDショップで入手した『翳りゆく部屋』の再発8cm CDのカップリングだったと思う。
胸の奥の閉ざされたドアが開かれたような、言いようのない寂しい気持ちになったことを憶えている。サビのコーラスが重なるところがせつない。


7. 紙ヒコーキ
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

アルバムの中でも特に好きな曲。
窓の形に広がる空っていうフレーズがやばい。


8. 雨の街を
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

由実さん自身がお気に入りだと言われている曲ですよね。この曲も聴くと寂しくなるのだ。
B'zのギタリスト松本孝弘さんがカバーアルバム『THE HIT PARADE』でカバーしていましたね。


9. 返事はいらない
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1972 ALFA MUSIC

1972年7月5日発売のデビューシングル。シングル盤では本人が単独で編曲していたが、アルバム・バージョンでの別アレンジ収録となっている。

10. そのまま
(作詞:作曲:荒井由実・編曲:荒井由実 & キャラメル・ママ)
(C) 1973 ALFA MUSIC

美しく温かいイントロを聴いただけで、きっと良い曲だろうなと思わせてくれる。
流れるように展開されるメロディーと演奏に聴き惚れてしまう。知名度それほどでもないけど、超名曲ではないでしょうか。


11. ひこうき雲
(作詞:作曲:荒井由実)
(C) 1973 ALFA MUSIC

弾き語りが部分的に収録されている。1分にも満たず、フェイドアウトしてゆく。

RV

45周年記念ベスト、2018年4月発売!
ユーミンの自身が選曲した名曲集

初回特典映像あり 左;Blu-ray、右;DVD



荒井由実、初めてのフライト

『魔女か!スーパー・レディか!新感覚派・荒井由実 登場!!』そんなセンセーショナルなキャッチ・コピーのもとデビューしたユーミンの独身時代、荒井由実の処女作品です。
荒井由実作品を自発的に聴いたのは、アルファミュージックが1996年に発売したTWIN CD『Super Best of 荒井由実』だったと思います。
このベストアルバム自体はアルファミュージックの企画盤で、YMOとか他のアーティストのものも出ていましたが、ユーミンのはチャート誌でトップ10入りし、20万枚近く売れたんですね。
荒井由実の曲の半分以上が入ってるので、実にお得で後追いのファンにとっての入口としては最適なのではないでしょうか。2000年にはリマスタリングされ、アートワークを変更してはいるものの『Super Best of Yumi Arai』として半分公認となっていますよ。

当時ちょっと暗いなぁと思ったんですね。ビートルズを聴いた時のような感覚、ノスタルジーを覚えました。
はっきり憶えているユーミンとの出逢いは親がカーステレオで聴いていた『Delight Slight Light KISS』でしたから、既にデジタルバリバリなんですよね。
荒井由実のサウンドというと、アナログというかそことは正反対のところにあるじゃないですか。
サウンドの風合いはフォークの人たちと極端に違わないと思います。ただ歌ってる世界(歌詞)が彼らとは決定的に違いますよね。
荒井由実はリスナーに共感を誘うリアリティーの部分より、リスナーの想像力を掻き立てるような世界、あこがれの提示の仕方かなと感じます。
やっぱり昔から人のずっと先を歩いてる人なのかも知れません。

アルバム単位で聴く機会は少なかったんですけど、今回こうして聴いてみて1曲、1曲が重みがありますね。トータル40分もないのに、深みがあります。
中でも『紙ヒコーキ』と『そのまま』がとても気に入っています。
都会的な松任谷由実に対し、荒井由実は八王子って感じがする。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9


▼最新作 宇宙図書館、初回盤もあるよ▼