槇原敬之 - Design & Reason
槇原敬之 22nd Album
Design & Reason
BUPPU
発売元:ワーズアンドミュージック
販売元:Sony Music Marketing
2019年2月13日発売(CD: BUP-00018)

ddndr

Produced by Noriyuki Makihara
最高10位・2.4万枚 (CD)

TL

1. 朝が来るよ
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

とても絵画的に景色を絡めて歌う1コーラスと、自らの人生に向き合う2コーラスの対比。
一日の始まりを歌ったものだけれど、まるで新しい人生の始まりを歌っているかのよう。
アーティストが年相応の歌を書くのは勇気が要ることだ。ライフソングの質が洗練されて、ポップスで歌われる『アラフォー、アラフィフの人生』が妙にしっくりくる。
『テレビでも見ようよ』の主人公が一人歩き始めたみたいな感じ?
どんなに願ったのころで 好きなことは好きで嫌なことは嫌だ
自分の行きたい場所に行こう 正しくても間違っていても

Cymabal,Wind Chime:毛利泰士 / E.Guitar, A.Guitar:石成正人 / Strings Arrangement:トオミヨウ / Strings:吉田宇宙ストリングス

2. どーもありがとう
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

『HOME WORK』とかキラキラした時代のマッキー・ポップスが懐かしくも思い出される。
2000年代にもその手の曲で『Wow』があったけど、今回は原点回帰を強く感じさせる。歌詞は重くはないが軽くもない、忘れちゃいけない気持ちを歌っている。
槇原さん自身がツイートしていましたけど、今の音楽は打ち込みと生の違いは分かりにくくなっている。クレジットでドラマーが記載されてるのはこの曲のみ。
温かみがあふれてるのは気のせいだろうか。
言わなきゃだめってことは
たいてい言いにくいもの

Drums:屋敷豪太 / Wind Chime, Tambourine, Conga, Triangle:大石真理恵 / A.Guitar, E.Guitar:石成正人 / E.Bass:川崎哲平

3. だらん
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

マッキー定番のデジタル・ポップスかと思ったが、意外にも渋いソウルナンバー。
何度ハグしても君の両手が
だらんと下がったままで
そろそろ君を僕から放してあげる時かも知れない

Conga:毛利泰士 / E.Guitar:石成正人

4. In The Snowy Site
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

洋楽ライクなコーラスが印象的なミディアム・ナンバー。
『まばたきの間の永遠』や『Merry go-round』といったかつての名曲が思い出される。
でも低音ボーカルがつらそうで、聴いてるほうも『あれ?』ってなりそう。

Tom-Tom:槇原敬之 / Cymbal, Wind Chime, Tambourine, Shaker, Bell:毛利泰士 / E.Guitar, A.Guitar, G.Guitar:石成正人

5. ただただ
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

90年代サウンドを思わせるポップ・ナンバー。
槇原さんのツイートにあった、大尊敬する清水信之さんや佐橋佳幸さんが大活躍した、大江千里さんや渡辺美里さんを意識したという曲はこれじゃないかな?と。曲には千ちゃんが、アレンジには美里が見える気がした。

Hat,Cymbal,Tambourine:毛利泰士 / E.Guitar, A.Guitar:佐橋佳幸

6. キボウノヒカリ
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

こういうのがシングル向きだよね。
不思議だな。マンドリンが『和』のテイストを醸し出してる。サンバの香りもある。
光が拡がってゆくかのように壮大なサビメロが槇原さんの名曲『Alone』を彷彿とさせる。
そう希望の光は僕らに届き続けてる

Hand Clap, Tom-Tom, Cymbal:毛利泰士 / E.Guitar, A.Guitar, Mandolin:佐橋佳幸 / Chorus:今井マサキ, 加藤いづみ, 毛利泰士

7. 微妙なお年頃
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

こうきましたか!昔のアニメのテーマ曲のような、青春ドラマの主題歌のような?舟木一夫?昭和の歌謡曲みたいな懐かしさを感じさせます。大袈裟なストリングス&曲中のセリフにニヤリ。
槇原さんの曲にこういうのは、たぶんなかった!
大丈夫なほうのコミカル・マッキー。

Castanets:槇原敬之 / Tambourine, Guiro, Conga:毛利泰士 / E.Guitar:山本タカシ / A.Guitar:秋山浩徳 / Chorus:加藤いづみ / Strings Arrangement:トオミヨウ / Strings:吉田宇宙ストリングス

8. 2 Crows On The Rooftop
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

アコースティックギターとストリングスで構成されるバラード。
『上を向いて歩こう』とかエバグリ系の美メロです。

Cymbal:毛利泰士 / A.Guitar:山本タカシ / Strings Arrangement:トオミヨウ / Strings:吉田宇宙ストリングス

9. 記憶 (Album Ver.)
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2018 WORDS AND MUSIC

48thシングル『記憶』のアルバム・バージョンということなのだが、いまいち違いがわからない。
リマスターのせいか篭ってる気がする。

E.Guitar, A.Guitar:石成正人 / Chorus:毛利泰士

10. Design & Reason
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2019 WORDS AND MUSIC

アメリカの映画のエンディングに流れてきそうな、大地?荒野?カントリーの香りがするタイトル曲。何回も聴くとより、深く深く染み込んでくる。
それぞれの形にはそうなるための理由がある

Tom-Tom:槇原敬之, 毛利泰士 / Cymbal:毛利泰士 / E.Guitar, A.Guitar:Bouzouki. Banjo / Pedal Steel:小倉博和 / Strings Arrangement:毛利泰士 / Strings:吉田宇宙ストリングス

RV




槇原敬之、通算22枚目のスタジオ・アルバム。
『すべての物・事・形には、そうなるための理由がある』以前より描きたかったテーマを表現したという今作。
各イーコマース・サイトでは軒並み品切れを起こしており、一時的に入手困難となっておりました。

『すべての物・事・形には、そうなるための理由がある』について。
ボクがよくバスで通る道が、『水道道路』と呼ばれているのですが、10年以上この周辺に住んでいてその意味について考えることはありませんでした。
大きな浄水場があった西新宿の高層ビル群の辺りから杉並の和泉まで続く直線の道です。
昔、そこは大きな水路で、玉川上水の水を通していたそうです。水路には十六もの橋が架かっていたそうです。水路が地震でダメになって廃止されたあと道路になったから、水道道路というのだそうです。
ここが水路だったなんて思う人はいないでしょう。
バスの停留所の『六号通り』『七号通り』という名前は、水路に架けられていた橋の番号。
幡ヶ谷にある案内看板には『玉川上水六号橋』と書かれていました。

水道道路の周辺の住宅は、道路より下から建ってることが多いです。したがって、坂や階段も多いです。
それは土を盛ってできた土手に水路を作り、橋を架けたから。
水路が廃止されるとき元に戻す予定だったものの、戦争で出来ない箇所があったとか。
街の成り立ち、道にさえも、そうなった理由があるのですよね。
色々な物・事・形の理由を探してみるのも面白いかも。

サウンド的には、いわゆるマッキーって感じは変わらないのだけど、年齢のせいもあるのかな?良い意味で力が抜けてる感じで聴きやすい作品だった。

シングルレベルの『どーもありがとう』『キボウノヒカリ』なんかはもう言葉にならないですね。

ここまでがっかりしないものを供給してくれる安心感。この人、天才かもしれない。
迷いなく10点にさせてもらいました。
迷わず手にして、世界に酔いしれてください。
レーベルBUPPUのロゴも刷新され、新しい槇原さんの始まりにありがとう。


個人的評価:★★★★★★★★★★ 10


【SINGLE】
1. 『記憶』(Original)
C/W 『記憶 (Strings Version)』『Memories』(『記憶』英語Version)