今井美樹 6th Studio Album
Lluvia (ジュビア)
FOR LIFE
Excecutive Producer : 市原稔(芸映)北村篤識(日本テレビ音楽)西澤ひさ子(Mash-West)
1991年9月7日発売(CD: FLCF-30112)

miki

Produced by 今井美樹、松田直、佐藤準
Co-Producer:後藤由多加(FOR LIFE)
最高1位・92.6万枚

TL

1. SATELLITE HOUR
(作詞:岩里祐穂・作曲:MAYUMI・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

心地よいAORサウンド。遠距離恋愛を歌っている。
彼は笑った 運命ならば きっと愛は離れて強くなるはず

ドラム:山木秀夫、ベース:美久月千晴、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・友成好宏、シンセプログラミング:浦田恵司、コーラス:佐藤準・比山清

2. ひとりになってみよう
(作詞:作曲:上田知華・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

恋に敗れた女性の再出発の歌。
さりげない言葉とさりげないメロディー、このころの美樹さんの魅力だと思います。
ユーミンの『青春のリグレット』のイントロがよぎったことはご愛嬌。
めぐり逢った頃は 子供だったもの
肩をぎゅっと抱き合えば けんかは終わった

ドラム:山木秀夫、ベース:美久月千晴、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・友成好宏、タンバリン:やましたひでお、シンセプログラミング:浦田恵司

3. 夢の夜
(作詞:今井美樹・作曲:山口美央子・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

山口美央子先生による極上メロディーに、今井美樹本人が歌詞をつけた。
内容はズバリW不倫!美樹さんには、もともとそういう素質があるのだろうか。(笑)
でもこの歌は奪う女ではなく、耐える女です。
答のない恋だとわかってる 初めから
それでも出逢えたこと 私には幸せに思えた

ドラム:山木秀夫、ベース:高水健司、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・友成好宏、シンセプログラミング:浦田恵司・水島康貴、コーラス:佐藤準・比山清

4. あこがれのままで
(作詞:岩里祐穂・作曲:上田知華・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

イントロから吸い込まれてゆくキラー・チューン。
学生時代の友達、そして片想いしていたあこがれの彼の再会を軽快に歌う。
このアルバムはシングル曲がないけど、もしもシングルにするならこれかな。これでしょう。
のちに『PIECE OF MY WISH』でミリオンを獲得する彼女。これはそのソングライター・チームによる制作なので、おのずとクオリティが高くなっています。
佐藤準さんのニクいアレンジがたまりません。
久し振りだった あなたに逢えてよかった
青春の中に忘れ物してきたような気がしたそれだけ
心でつぶやくさよなら

ドラム:青山純、ベース:美久月千晴、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・友成好宏、シンセプログラミング:浦田恵司

5. プラスα
(作詞:今井美樹・作曲:編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

ファンクなテイストでブレイクダウンを誘う。
ドラム:青山純・山木秀夫、ベース:佐藤準、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・中西靖晴、マリンバ:山木秀夫、シンセプログラミング:浦田恵司・水島康貴、サックス:斉藤晴、コーラス:佐藤準・比山清

6. Tea For Two
(作詞:今井美樹・作曲:かまやつひろし・編曲:佐藤準)
(作詞:作曲:Jobim Tom / 日本語詞:今井美樹)
(C) 1959 EDITORA E IMP MUSICAL FERMATA DO BRASIL

心地良いボサノヴァ・ナンバー。当初は、かまやつひろし作曲とされていたが、諸事情からカバー曲という扱いに変更となっている。
Tom Jobimというアーティストの『ESTE SEU OLHAR』という曲と酷似していたというか、まあ…似てるんですけど(笑)さすがにこれは赦されないレベルなんでしょつね。
ドリカムの『LOVE LOVE LOVE』も元ネタの『FOR THE PEACE OF ALL MANKIND (落ち葉のコンチェルト)』に酷似してるけど、なぜか赦されてるよね。
要は外国の曲を国内で管理代行している音楽出版社、この曲は渡辺音楽出版の人が気付いちゃったってことなんでしょう。『FOR THE PEACE OF ALL MANKIND』を管理しているヤマハやユニバーサルは見て見ぬ振り?Albert Hammondの権利は?
話が脱線していきそうなのでこのへんで。曲は良いよ。

Aギター:笛吹利明

7. Lluvia
(作詞:今井美樹・作曲:MAYUMI・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

タイトル曲。『Lluvia』とはスペイン語で雨の意。
地味な曲だけど80'sのユーミンっぽいかも。

ドラム:青山純、ベース:美久月千晴、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・友成好宏、シンセプログラミング:北城浩志・水島康貴、コーラス:今井美樹・かまやつひろし

8. 笑顔
(作詞:岩里祐穂・作曲:上田知華・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

『あこがれのままで』同様、シングル『PIECE OF MY WISH』の作家陣で制作されているため、非常にハイクオリティとなっている。
何気ないメロディーに乗せて歌われるのは、二度と会うことはないカップルのさよならの瞬間。さりげなくも刺さる歌詞が良いです!
今井美樹の数あるバラードでも、非常に感情が込められた歌唱になっている。
哀しみに浸りすぎるのではなく、哀しみを愛として受け止めて行こうという意思?泣き笑いの境地を感じる。
人と別れる時はこういう風に別れたいよね。
目に見えない絆があるなら
いつの日かあなたは気づいて 変わらぬこの愛に

この笑顔をあなたにあげたい
明日もまた会える二人のように別れよう

ドラム:青山純、ベース:美久月千晴、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・友成好宏、シンセプログラミング:浦田恵司、ストリングス:ジョー加藤ストリングス

9. 黄昏
(作詞:今井美樹・作曲:柿原朱美・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

ピアノを主体にしたバラード。しっとりとしたナチュラルなボーカルが耳に残る。
Aギター:笛吹利明、アコースティックピアノ:佐藤準、コンガ:今剛

10. DISTANCE
(作詞:作曲:上田知華・編曲:佐藤準)
(C) 1991 Nippon Television Music Corporation

1曲め同様に遠距離恋愛を歌っている。
作家が違うので意図はないとは思いますが、クリスマスにそっちに行ってもいい?って歌ってました。
こちらはクリスマスの別れの歌。
韻を踏んだ歌詞がメロディーに溶け込み、温かいアレンジのせいで悲しい感じはないけど。
今 哀しみが降り積もる心に
想い出の去年に 戻れない ふたりの上に…

ドラム:青山純、、ベース:美久月千晴、Eギター:今剛、キーボード:佐藤準・友成好宏、シンセプログラミング:北城浩志

RV



1989年11月、シングル『瞳がほほえむから』がヒットし、翌月にそれまでのキャリアを総括したベストアルバム『Ivory』を発売すると、これが大ヒットとなった。
翌1990年には、シンガー今井美樹の第2章ともいえる5thアルバム『retour』もシングル曲なしながらも67万を超える大ヒットとなる。
今作『Lluvia』は、おそらく本人もスタッフも『この路線で良いんだ!』と確信し、そんな想いを作品じゅうに溢れさせたかのような超大作、傑作アルバムになっている。シングル曲は今回もない。

松任谷由実さんの天下は相変わらず続いており、由実さんのフォロワー吉田美和率いるDREAMS COME TRUEが破竹の快進撃を見せ始めた頃、もう一人の由実さんのフォロワー今井美樹もアーティストとして充実の時を迎えた。堂々の最高1位、92.6万枚。

全アレンジは80年代の名プロデューサー、アレンジャーのひとりである佐藤準さん。
タイプとして松任谷正隆さんや武部聡志さんに近い印象で、起用してるゲストミュージシャンは、お馴染み凄腕、実力派と呼ばれる方々を起用している。
サウンド的には完璧に近いのかなあといったところ。

ユーミンやドリカム以上にOL、女性にフォーカスしていて、見事に戦略が成功したのでしょう。
ユーミンやドリカムじゃうるさ過ぎる、濃過ぎると思った人達には、すんなり受け入れられたのではないでしょうか。
たぶん女性が聴いてた人だと思う。だからその後彼女がしたことの反発はものすごく強いものになったのではないでしょうか。

やっぱり私は、この時期の今井美樹が一番好きですね。
歌詞は、本当にさりげない女性の気持ち。メロディーも女性作家が多いので、派手さはないけど温かみがある感じです。
岩里×上田の女性コンビでユーミンっぽい世界観を構築していたのだけど、それを一人でやってたユーミンってやっぱすごいよなあ。みたいな。

普通っぽい、ナチュラルさがこの人最大の魅力だったのではないでしょうか。
27年以上経ってもなお、今の時代にも通じる音楽だと思います。
正直に素敵な作品ですし、女の子に聴いてほしいかな。
美樹さんの娘さんもお母さんが本当に輝いていたこの時期の曲を聴いていてほしい。

個人的評価:★★★★★★★★★★ 10