PAMELAH 3rd Studio Album
SPIRIT
B-C (B-Columbia)
日本コロムビア株式会社
1997年3月26日発売(CD: COCA-14087)

pml3

Produced by B・M・F
最高7位・19.8万枚

TL

1. EVERYTHING
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 Be Kikakushitsu

四つ打ちのテイストが軽くなり、それまでよりデジタルな質感に変化している。
もちろん基本は変わらないのだけど、新鮮だった。


2. 恋のルール
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 Be Kikakushitsu

ロックでダンサブルなPAMELAHサウンドの完成形ともいえるナンバー。
どこか冷めていて強い女性のような印象だが、それは強がりなんだと…
死ぬ程 愛し合って
冷めたならそれは仕方ない
生まれ変わったら
また逢おうとか云いながら
Just Say Good-Bye!

もうすぐ夜が明け
星は消えてしまう
キラキラする物ほど
壊れた時の傷は痛い…


3. 掠奪
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 Be Kikakushitsu

タイトルからしてすごいのだけど、歌詞のほうもとばしてます。(笑)でもこんな風に大胆なことを想う女性は普通にいると思いますね。
私の上で揺れてる人が
あなただったらよかったのにな

私の中で感じてるのが
あなただったらよかったのにな

スキな人とじゃないとイケない
こんなことはやめたい 今夜限りで…


4. 涙
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1996 TV Asahi Music Co.,LTD & Be Kikakushitsu

1996年11月20日発売の6thシングル。最高24位、5.8万枚。1996年12月6日、ミュージックステーションに出演。
いきなり歌から始まる、四つ打ち定番PAMELAHサウンド。
強がりの裏に潜ませた弱さを愛しく感じさせる。


5. ずるいよ
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 TV Asahi Music Co.,LTD & Be Kikakushitsu

ビーイング系を聴いてた自分のような人にはこういう『Theビーイング』な曲はアガるわけですが、この曲はそれにも増して歌詞が良いんだわ。
水原由貴によるコーラスも凝ってる。
愛の深さは決して測れないけど
あなたの愛はきっと
水たまりより浅かったのかな


6. 忘れられない人
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 TV Asahi Music Co.,LTD & Be Kikakushitsu

『It's my fault』『きっと ずっと』に並ぶ名バラード。

7. SPIRIT
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 TV Asahi Music Co.,LTD & Be Kikakushitsu

1997年2月5日発売の7thシングル。最高15位、13.7万枚。1997年1月31日、ミュージックステーションに出演。テレビ朝日系アニメーション『地獄先生ぬ〜べ〜』エンディングテーマ。
アルバムタイトル曲で、PAMELAH最大ヒット曲として知られている。
こちらのほうが先だけど、初期のEvery Little Thingにサウンドが似てる。


8. BABY CAT
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 Be Kikakushitsu

これは新境地だったんじゃないかな。キャッチー。

9. Nervous Break Down -remix-
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1996 Be Kikakushitsu

シングル『BLIND LOVE』のカップリング曲のリミックス・バージョン。テクノ・ロックの扉を開いた。
同じ夜 包まれても
きつく抱きしめ合っても
幾つ肌を重ねても
何度見つめ合っても

同じ夜 包まれても
きつく抱きしめ合っても
夜明けが来れば
また一人ぼっち
砕け散る程 好きなのに


10. あいつ
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1996 TV Asahi Music Co.,LTD & Be Kikakushitsu

前作に収録されていた『純 情』をポップにブラッシュアップしたような曲。

11. PRAYER
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 TV Asahi Music Co.,LTD & Be Kikakushitsu

エンディングは安定のPAMELAHサウンドでしめくくり。歌詞は前向き。

▶︎▶︎▶︎未収録となったシングル収録曲

11. ためいき
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1996 Be Kikakushitsu

『涙』カップリング。サウンドは1stに収録されていた『Rainy Night』のようなポップテイスト。キュート路線?歌詞はナチュラルかな。以後もアルバム未収録。

12. BABY! COME BACK TO ME
(作詞:水原由貴・作曲:編曲:小澤正澄)
(C) 1997 Be Kikakushitsu

『SPIRIT』カップリング。小澤さんの打ち込み技術がこんなに進歩しましたよ!的なコテコテのサウンド。後半高速化していくのが面白い。以後もアルバム未収録。
サビメロで森下由実子の『SOMEBODY TO BELIEVE』がよぎる。


RV



半年という短いインターバルで発表された3rdアルバム。アニメのテーマ曲になったシングル『SPIRIT』の自己最大ヒットもあり、勢いそのままパッケージングされた秀作。

高校最後の夏休みに、たまたま新宿で出会った人と付き合うことになりました。
彼は東京の人。大学で英語を学んでいる人でした。
その人と遠距離恋愛している時にいつも聴いていたのがPAMELAHだったんです。
学校帰りの自転車でも、雨や大雪の日はバスの中でも…。心を重ねて聴いていたのがPAMELAHでした。
ZARDも好きですけど、曲への思い入れという意味ではPAMELAHのほうです。
結構色々重ねて聴いてました。(笑)

当時はお互いにお金がないので、しょっちゅう電話することはできない。なので文通してました。(笑)メールとかLINEとかないですもん。あっちはポケベル持ってたか。
彼は決まって無印良品の茶色い封筒で、幡ヶ谷に住んでいたので『代々木』局の証紙が消印でした。
…たまに電話で話すと幸せだったなぁ。

ワクワクもトキメキもいっぱいもらったし、いっぱい傷つけたし、いっぱい傷つけられました。
ああいう気持ちは若い頃特有のものだと思うけど、今思えば二人とも幼かったんだなあと。(笑)
17、18歳と21歳の恋愛ですからね、しかも男同士。儚いもの、おままごとです。

さて、作品のお話。これはPAMELAHにとって3rdアルバムになります。
1st/2ndも悪くないのだけど、サウンド的にマンネリを感じていました。
小澤さんのマニピュレーターとしての腕が格段に上がったのか、使用する機器が変化したのか、僕的には一番好きなサウンドです。
ワンパターンな四つ打ちやスネアも息を潜め、何よりもギターに表情が出て、アレンジも工夫されてるように感じます。
とても聴きやすくなったと思います。
セールスはちょっと下がったものの前二作とほぼ同水準をキープ。
エイベックスが類似ユニットFavorite Blueを売り出したり、ELTが頭角を現したりと激動の時代でしたが、足跡は残せたのではないでしょうか。

上京するとき、これをリュックに忍ばせ一緒に持ってきました。学校に馴染めなくて、暗い気分の時もこの作品に支えられて、やってきました。
一人暮らしが寂しくて、すぐに友達ができなかったこともあって『ずるいよ』ばかり聴いてたわ〜。(笑)
なんだかんだであれから20年以上経過したんですね。早い!

意識的にずっと避けてたと思います。
聴かないようにしていたと思います。
たぶんせつなかった頃が蘇ってくるような気がしていたのかな。怖かったのかな。
でも不思議だね。あんなにせつない思い出とリンクしている曲たちなのに、ただただ懐かしい。

パスポートの先はどんな世界ですか?
大切な人はできましたか?
夢は続いていますか?
そうそう、新宿高島屋の周辺はあの頃と比べて様変わりしましたよ。
去年、小室哲哉のベストアルバムを貸してもらったら『close to the night』が収録されていました。
憶えてますか?懐かしいですね。

あなたに出会ってなければ、正直人生違ってたと思います。
歩く道もだし、もっと人を信じられる素直な人間になれていたと思います。
まあでもそれも全部自分で選んできたものですから、しょうがないと思っていますよ。
何十年も経ったけど、やっぱりありがとうとは言えません。あなたが僕に課したハードルは未成年の僕が味わうべきレベルの気持ち、出来事ではなかったと思うからです。
自分で言うのも変ですけど、ちょっとかわいそうなくらい。

だけど元気でいてほしい。
ほんとただそれだけです。Time goes by.

個人的評価:★★★★★★★★★★ 10