槇原敬之 9th Studio Album
Cicada
SME Records / Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
1999年7月7日発売(CD : SRCL 4541)

▼カタログ
・初回盤:発売日同じ(2CD : SRCL 4539/40)SME Records
・デジタル配信:(P)Sony Music Direct (Japan) Inc.

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Produced by Noriyuki Makihara
最高3位・約54.9万枚

TL

1. 〜introduction for Cicada〜
(作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1999 WORDS & MUSIC

アルバムのオープニングを飾るインスト。
まるで過去に戻って行くかのような、どこか怪しげな雰囲気を漂わせている。


2. pool
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 2008 WORDS & MUSIC

プールに訪れた主人公が、過去を回想している。
少年のころ、少女に淡い恋をしたそんな夏の思い出。


3. Hungry Spider
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1999 Nippon Television Music Corporation

シングル。最高5位、35.1万枚。
日本テレビ系ドラマ『ラビリンス』主題歌。
優しいアコーディオンの音色が逆に怪しさを醸し出している。チャーリーとチョコレート工場の世界ですね。
叶わないとこの恋を捨てるより
この巣にかかる愛だけを食べて
あの子を逃がした


4. HAPPY DANCE (Album Version)
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1998 TV Asahi MUSIC, Co.LTD.

シングル。最高14位、7.3万枚。
シングルは、アコーディオンが効果的に挿入されていたが、アルバム・バージョンでは哀愁ダンスに変貌している。
スネアの音、バッキング含め全く別モノになっている。


5. Star Ferry
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1999 WORDS & MUSIC

中華風のサウンドからして舞台は、台湾のスターフェリーなのだろうか。
アレンジの一部としてではなく、楽曲そのもので、こういう大胆なアプローチはこれまでは見られなかった気がする。


6. 青春
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1999 WORDS AND MUSIC

発売当時すごく好きになった。
でも正直、歌詞が変!なんか違う!って思っていた。
退廃的な歌詞の世界観、それでいて不自然なほどポップなアレンジ。
とても好きな曲ではあるんだけど。


7. STRIPE!
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1998 NICHION,INC.

シングル。最高16位、6.5万枚。
TBS系『日立 世界・ふしぎ発見!』テーマ曲。
これはシングルだから入れられたけど、冬の歌だよね。


8. この傘をたためば
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1999 WORDS & MUSIC

シングル『Hungry Spider』カップリング曲。
『雷が鳴る前に』のその後ということらしいです。
メロディーと歌詞を最大限に活かすために、アレンジを薄くしている。
恋に恋していた二人が、どう大人の恋を育てていたのだろう。
性癖を越えて総ての男に聴いてほしい。
良いときだけ守るような
僕じゃ君を愛せない
悪いときこそ君を守れる
僕じゃなきゃ愛する資格もない


9. The Future Attraction
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1999 WORDS & MUSIC

しっとりした雰囲気をブレイクするかのような、ビートが効いたナンバー。

10. BLIND
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1998 WORDS & MUSIC

シングル『HAPPY DANCE』カップリング。
シングルの時からカップリングばかり聴いていた。
僕らのような人には、自分に当てはめやすい曲だよね。


11. Name of Love
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1997 Sony Music Artists Inc.

従兄弟の寺西一雄(ローリー)のシングル表題曲として提供したものをカバー。
マッキーバージョンのほうが、しっくりきますね。
こういうポップな感じは、やっぱり槇原さんだなあと思う。


12. Cicada
(作詞:作曲:編曲:槇原敬之)
(C) 1999 WORDS & MUSIC

アルバムタイトル曲。
タイトル曲にふさわしい、厳かな雰囲気をたたえたバラード。
人々に気が付かれなくても、僕らはここにいるんだ。
蝉の鳴き声はマイノリティーの叫びなのだろうか。
辛さから逃げることで
自分を騙しながら
生きることが幸せなら
僕らはいないはずだと

とても素敵な歌です。でもねマッキー!夕立を拍手にたとえているけど、それユーミンがもうやってるから。(笑)


RV



約1年7ヶ月ぶりに到着した9thオリジナル・アルバム。
キャッチコピーは『僕らが、移ろう時の音』なんとも意味深。
タイトルの『蝉』は、おそらく『儚い夏』を意味する。
短い命を振り絞って鳴いて、果てる蝉を『僕ら』に当てはめたのだろう。

10点を付けたい!それほどアルバムとしては完璧である。
作詞も作曲もアレンジも全部が最高レベル、それまでのちょっと不甲斐ないキャラの男性像ではなく、大人の男に脱皮した超大作だったんだと思う。

けれどもこの2ヶ月後に彼は逮捕された。
覚せい剤取締法違反、きっとこのアルバムはそういう中で生み出されたもの。
生意気な言い方をすれば、薬のチカラを借りて作った作品である可能性が極めて高い。
それがどうしてもがっかりなのである。
作品には罪はなく、作品は残り続けてゆくもの。
作り上げたものがここまで傑作だと、やはり槇原さんの罪は重い。
そんなことしなくても、槇原さんなら作れただろう?そういう想いがあるからだ。
してしまったものは、しょうがない。
もう既に罪を償った彼にこんなこと言うのは、どうかしてるだろうか?

槇原さん自身、深い傷を負ったように、ファンも苦しんだ。
もちろん冗談だとはふ分かっているが、マッキーを聴いてるといえば『クスリの?』と心ないことを言われ、マッキー好きの、あるヘテロの友人は『お前もホモなの?』などと言われたという。
槇原さんや奥村さんが味わった苦しみ、悲しみはファンにもあったのです。
そのことだけは忘れてもらいたくないし、あんな想いは二度とさせないで欲しい。
それは本当に絶対。

そしていつか、この作品を超える傑作を聴かせてください。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9.5


【SINGLE】
1. 『HAPPY DANCE』(Single Version)
C/W 『BLIND』

2. 『STRIPE!』
C/W 『Merry-go-round』(Original Version)

3. 『Hungry Spider』
C/W 『この傘をたためば』