SPEED 1st Studio Album
Starting Over
TOY'S FACTORY
1997年5月21日発売(CD : TFCC-88100)

speed

Producer: Hiromasa Ijichi
A&R Producer:Koichi Inaba(TOY'S FACTORY)
Executive Producers:Johnny Taira(Rising Pro.), Takamitsu Ide(TOY'S FACTORY)

最高1位・176.6万枚

TL

1. Walk This Way
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

夢に向かう少女達の決心を、ヒップホップ調のリズムに乗せて歌う。
メンバーの名前が登場するので、まさに当時の彼女達の等身大の姿を歌ったものではないだろうか。


2. Body & Soul
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1996 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

1996年発売のデビューシングル。最高4位・63.7万枚。日清シスコ《シスコーン》CMソング。

3. Luv Vibration
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

アルバム曲ですが、ロートの目薬《ロートZi リセ》CMソングとしてオンエアされたので憶えてる人は多いかも。

4. STEADY
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1996 TV Asahi Music Co., Ltd. & RISING PUBLISHERS Co., Ltd.

賞レースの絡む年末に盛り上がり大ヒットになった2ndシングル。(最高2位・127.8万枚)、テレビ朝日系ドラマ『イタズラなKiss』主題歌。
バラードでありながらリズムを効かせる手法は、その後のSPEEDの定番になるのだが、96年に小室さんが『DEPARTURES』で見せた大胆なアレンジが少なからず影響しているのではないかと推測。
SPEEDの代表曲の一つ。


5. RAKUGAKI
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

歌詞はアイドルポップスなのにサウンドはファンキーなハウス系。
こういうアンチテーゼも面白い。


6. サヨナラは雨の日‥
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

クールなR&Bバラード。外国人コーラスが効果的に挿入されている。
ウィスパーボイスを披露している。


7. Go! Go! Heaven(Album Version)
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

大ヒットした『STEADY』の後の3rdシングル。(最高1位・66.4万枚)
フレッシュでパワフルなダンスチューン。アルバム・バージョン。
初めてチャート1位を記録し結果的にこれがトドメとなってアルバム購入に繋がった人も少なくないのでは?前の曲のスムージー感を打ち破るような流れ。


8. I Remember
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1996 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

デビューシングル『Body & Soul』のカップリング曲。
狙ってるアレンジは『Just the two of us』です。


9. Kiwi Love
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

軽快なダンスナンバー。島袋寛子の突き抜けような高音が素晴らしい。

10. Happy Together
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1996 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

2ndシングル『STEADY』のカップリング曲。サウンド自体はR&Bを基調にしているのだけど、歌詞の内容は小・中学生だった彼女たちにとってしっくりきたんじゃないかな。
『シャッター押すように心に刻もう』って部分は、写メール時代の前の前のこの時期には光るフレーズだと思う。
歌唱もだけどアイドル的要素を最も感じさせる1曲。
個人的には背伸びしてない、これがベストソングなんだよね。


11. Starting Over
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

前曲のにぎやかなアウトロから、がらっと雰囲気が変わり、R&Bバラードに。
タイトルチューンらしく、ソウルフルなゴスペルコーラスが存在感を醸し出している。
元ネタというかインスパイアされたのはおそらくマライア・キャリーの『Anytime You Need A Friend』あたりでしょうか。
次のStarting Over(reprise)はリミックスされたものでほぼ繋がっている。
マライアの同曲にも同類のリミックスが存在し東京ドーム公演でも披露されている。
参考 https://www.youtube.com/watch?v=Nq6ESCSwnbM


12. Starting Over(reprise)〜Walk This Way
(作詞:作曲:伊秩弘将・編曲:水島康貴)
(C) 1997 TOY'S FACTORY MUSIC, INC.

リミックス調に変化した『Starting Over』が1曲めの『Walk This Way』と繋がって終わるというよくある終わり方。いや、終わりは始まりというコンセプトなのです。




RV

今回は、芸能活動以外で世間を騒がせたSPEEDのファーストアルバムです。

デビューしてから彼女たちはしきりにTLC(米国のR&B系ガールズグループ)のファンだと口にしていました。
随分と若いのに洋楽を聴くのかーと感心したものですが、制作陣も含めて目標というかコンセプト・ターゲットにしていたのかも知れませんね。
アルバム全体を貫いているサウンドはR&Bを意識したグルーブで統一されていることからスタート時点から従来のアイドルポップスとは隔たりがあったんですね。

メンバーは安室奈美恵さんやMAXを送り出した沖縄アクターズスクール出身。
沖縄アクターズスクールで、ダンスと歌の基礎を習い、まだ小・中学生だというのに見込まれて上京。
先輩にあたる安室さんが出演する番組『夜もヒッパレ』に出演し、そこでグループ名を募集し、1996年にデビューを果たします。

デビューから順調で、2ndシングル『STEADY』がドラマの挿入歌になったこともあり大きな注目を集めミリオンを獲得しており、本格ブレイクを感じました。
アルバム直前にトドメのダンスチューン『Go!Go!Heaven』をドロップしており戦略としては完璧でしたね。
チャート1位、170万枚を超える特大ヒットになりました。

主にボーカルを取っているのはヤングなSPEEDの中のヤング組、島袋寛子さんと今井絵理子さん。
子供なのに(失礼)歌は上手かったですね。
今は二人とも三十代ですし、今井さんは国会議員ですからね(笑)
間も無く20年前になるんです!時の流れは恐い、速い!

彼女たちがシーンに果たした役割を考えてみた。
改めて聴くと、なおさら感じるのですが、彼女たちが広めたR&Bのテイストはその後の歌姫ブームをスムーズにつなぐ架け橋になったのではないかなと。

ボーカルの技術や声質を別にすると、その後のMISIAさんや宇多田さんとサウンド的な風合いは大して変わりません。あれ?SPEEDってこんなにグルーブ感あったんだと改めて聴いて思いました。
そう!彼女たちは宇多田ヒカル『以前』の人たちなんですよね。
やっぱり音楽の流行と流行は密接に繋がってるのかなと思ってしまいます。

このアルバムは当然のことながら伊秩さん(報われましたねー)のライティングと水島さんのアレンジが非常に優れていたこと、我々に分かりやすくR&Bの解釈を教えてくれたという意味でも称賛したい。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9