橘いずみ - TOUGH
橘いずみ 7th Album
TOUGH(タフ)
Sony Records Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
1997年5月21日発売(CD : SRCL 3939)

tachibana_7th

Produced by Akira SUDOH & Izumi TACHIBANA
最高20位・2.5万枚

TL

1. WINDOW
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

1997年4月21日発売の12thシングル。

2. BROWN
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

椎名林檎ファンはどう感じるかな?

3. RADIO WAVE
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

12thシングル『WINDOW』のカップリング。これはラブサイケデリコ。

4. MOON PALACE
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

オリエンタルなイントロが印象的。
ちょっとツボった。


5. BLUE ARCADE
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

これまで特徴だった突き刺さるようなヴォーカルの痛々しさが溶かされて優しさに昇華されているように聴こえる。
切なさは変わらないんだけどね。かなりの名曲。

街のどこか
ふと目を上げて
そこにあなたが笑っていてくれたら
ある日どこか
胸が騒いで
そこであなたと
もう一度巡り会いたい


6. SHOOTING STAR
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

力の抜けたボーカルが心地よくさえ感じる。
2005年と2012年にソニー・ミュージックダイレクトから発売されたベスト盤いずれにも収録されている。


7. SHOELESS LOVE
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

応援歌みたいで聴いてると元気になってくる。
プロデューサーの須藤さんが担当していた玉置浩二さんがスペシャル・ゲストボーカルで参加している。


8. NATASHA
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

ナターシャという女性のストーリー。

9. FERRY BOAT
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

別れた男性へのメッセージ(伝えることのない?)を歌う壮大なスケールのバラード。
静かなボーカルがどこか独り言のようで、その節々にあきらめを漂わせているような気がした。
横浜に出かけた時に聴いたらとてもあの街に合った、個人的にだけどね。

煙草はやめたの?
またはじめたの?
いらつかないの?
わがままいってる?自由にしてる?
時間がないの?
映画は見てるの?音楽はどう?
車買ったの?
ちゃんと寝ているの?
寒くはないの?
電話くれたら飛んでくよ


10. TOUGH
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1996 Sony Music Artists, Inc.

ドラマティックなストリングスに始まりカノン調のバッキングに乗せてつぶやくように歌う。
曲の後半はだんだん力強くなっていく。決意表明のような曲だ。
2012年の記念ベストアルバムにも選ばれ、榊いずみさんの曲を挟み2枚組のアルバムの最後に収録されている。
曲順を榊いずみさんが決めたのかは不明ではあるけど、配置を考えると彼女にとって重要な曲であるのは間違いなさそうだ。


11. NEW YORK NITE
(作詞・作曲:橘いずみ・編曲:橘いずみ & 須藤晃)
(C) 1997 Sony Music Artists, Inc.

エンディングテーマ的な。
SAYONARA部を除くと全編英語詩になっている。


RV



ソニー・ミュージックエンタテインメントSony Records期最後のスタジオ作品。
デビューから彼女を担当し、3rdアルバムからは共同プロデュースさらには二人だけで演奏するなど濃密な時間を共にしたプロデューサー須藤晃さんが関与した最後の作品となる。

今作は海外レコーディングとなり、これまでのように二人だけで演奏するやり方はせず、現地のゲストミュージシャンを迎えて制作された。
これまでの打ち込みとは異なり生演奏なので音に幅が出ている。楽器の音の通りも非常にしっかりしている。

今作を含め須藤氏との共同プロデュースは5作目となる。
須藤氏が単独プロデュースした1st/2ndを含めると7枚も同じプロデューサーとスタジオアルバムを作ったということになる。

須藤氏はこのアルバムのツアー全公演にベーシストとして帯同、参加していたという。
これは橘いずみさんのツアーでは初めてとのことだそうだ。
須藤氏のインタビュー記事によると、彼は最初にインスピレーションを感じたアーティストとしか仕事をしてこなかったそうです。
尾崎豊、玉置浩二、石崎ひゅーい…そういう顔ぶれの中で女性アーティストは数えるほど…本当に少なかったそうです。
もしかしたら須藤氏も橘いずみさんの音楽や世界観のファンの一人だったのかも知れませんね。

内容は前作より更に大人な感じになり、ミュージシャンたちの洗練された演奏が温かくて優しい。
従来の音とは違うと一聴するだけでそれが分かる。
生身の音の良さを改めて感じさせてくれる。
ヴォーカルスタイルが、これまでの突き刺さるような痛々しさではなく、肩の力を抜いたというかどこか優しさに近いものを感じる。

偶然かもしれないけれど、CDの規格品番がSRCL 3939(Thank you Thank you)になっている。
規格品番は力のあるアーティストやディレクターは指定できることもあり、かつてユーミンはキリの良い番号ばかりを設定していた。

椎名林檎ファンには是非聴いてみてほしいと思う。元祖という意味ではなく、こういうアーティストもいたということを覚えておいてほしいから。
愛に生きた女性。

個人的評価:★★★★★★★★☆☆ 8.5


TOUGH
Sony Music Direct(Japan)Inc.
2013-07-24