尾崎豊 6th Album
誕生
CBS・SONY RECORDS CBS/SONY GROUP Inc.
1990年11月15日発売(CD : CSCL 1560/1561)
▼カタログ
・紙ジャケ:2001年9月27日発売(CD : SRCL 5164/5)Sony Records
・リマスター:2009年4月22日発売(Blu-spec CD : SRCL 20004/20005)Sony Music Records Inc.
・BSCD2化:2013年9月11日発売(Blu-spec CD2 : SRCL 30004/30005)Sony Music Records Inc.

Produced by Yutaka Ozaki
Directed by Akira Sudoh
最高1位・約48万枚

Disc 1
1. LOVE WAY
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ソニー復帰第一弾、8thシングル。(チャート初登場2位)
小学高学年の時で当時自分はヒットチャートに注目していたこともあって、いきなり上位に入り込んできたこの曲が気になりタカヨシブックセンターでシングルを借りました。
アイドルグループCoCoを聴きながら、これを聴いていたという面白い少年でした。
何の先入観もなく初めて聴いた尾崎さんの曲になるのかな。
なにやら激しい曲だなという印象があった。
その後『回帰線』をクラスメイトの女子に、ショップで『十七歳の地図』を借りているので多少なりとも興味を持ったんでしょう。
2. KISS
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
歌う『景色』に変化が出てきている。
3. 黄昏ゆく街で
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
1990年12月1日に9thシングルとしてリカット。
寂しい情景が浮かぶバラード。
4. ロザーナ
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ブルース・スプリングスティーン、邦楽なら佐野元春とかアコースティックをフィーチャーしたロックサウンド。
シェリーもだけど女性の名前がタイトルだと名曲になる?
5. RED SHOES STORY
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ギターとサックスが入ってる王道ロック。
6. 銃声の証明
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
シリアスモードの尾崎さん。
7. LONELY ROSE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
曲によって声の表情を変えているけれど、これは無理に低くしようとしてない感じがする。
8. 置き去りの愛
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
渋めの尾崎さん。年齢を考えると渋すぎるかも。
9. COOKIE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
愛する女性にクッキーを焼いてくれと歌うミディアムナンバー。
この曲ではとても無邪気な声で歌っている。尾崎裕哉に似てる。
10. 永遠の胸
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
1991年1月21日に10thシングルとしてリカットされる。
色々な取り方が出来るけど、ファンに向けた熱いメッセージであり、問いかけかなと思う。
どこまでもずっと俺についてきてくれよ、という願いも感じる。
サビが大黒摩季さんの『あぁ』を思い出させる。
Disc 2
1. FIRE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
従来のファンが喜びそうなタイプのデンジャー尾崎。
2. レガリート
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
3. 虹
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
『永遠の胸』カップリング。
こういう感じの尾崎さんの歌唱が好きだな。とても優しい。
4. 禁猟区
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ガレージ風のロック。
5. COLD JAIL NIGHT
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
『LOVE WAY』カップリング。
カッコいい曲ですよね!シングルを借りた時はこっちのほうがよく聴いたかな。
6. 音のない部屋
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
『黄昏ゆく街で』カップリング。
狂おしいまでに愛を欲しがる主人公の姿が見える。
7. 風の迷路
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
こういう曲もちょくちょくありますよね。
こういう歌詞を見ると生と死は紙一重だと思う。
8. きっと忘れない
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
大切な人の誕生を祝う曲。
優しいボーカル、あたたかいサウンド、コーラスが妙に印象に残る。
余談だけどZARDにも同タイトルの曲があるの。
9. MARRIAGE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ちょっと重めの結婚しようよ、って曲。
奥様に捧げた曲なのでしょうか。
僕がもし須藤さんならこれはシングルにしたと思う。
10. 誕生
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
タイトル曲は10分にも及ぶ大作となった。
息子に捧げた曲であり、両親に捧げた曲でもあったのかな。
後半の息子へ向けたものであろう語りは鳥肌もの。
家族の存在が彼の作風に変化をもたらした今作、従来のイメージ、サウンドで作られたこの曲は過去への決別のようにも思える。

▼今なお聴き続けられる名曲たち▼
マザーエンタープライズに移籍し、マザーがスマイルカンパニーなどと設立したレコード会社MMGから発表していた尾崎豊。
マザーの福田社長との確執もあり、絶望していた尾崎さんは旧知の須藤晃のもとへ、すなわち古巣のソニーミュージックに戻ることになる。
1990年10月21日に発表されたソニー復帰シングル『LOVE WAY』が好調で、20万枚に迫る売り上げとなった翌月、今作は発売された二枚組のスタジオアルバムである。
全20曲。歌いたいことが沢山あったのだろうか、ものすごい熱量である。
『卒業』を筆頭にした体制への批判というイメージがまとわりついていた彼。もしかすると、求められるものに応えてただけなのかもしれない。
夜の校舎窓ガラスこわしてまわった、盗んだバイクで走り出すとかそういう曲の歌詞の一部を切り取って、尾崎豊というパブリックイメージは出来上がってしまったような気がしている。それが本人にとって不本意だったとしてもね。
晩年の作品を聴けば分かるように、彼は特別なものではなく、ごく当たり前の平凡な着地点を望んでいたのではないだろうか。
今作、『誕生』は自身に子供ができ自分の家族が出来たことを素直に喜ぶ彼の姿が垣間見える。
タイトル曲である『誕生』はもちろんたった一人の息子の尾崎裕哉君に捧げたもの。
リラックスした歌唱の『きっと忘れない』は友人や家族に、『MARRIAGE』は奥様に向けられているとも思える。
自分が背負ってきた大きな荷物が何かを解らぬまま、一度降ろしたのは家族という心の安心ができたからなのではないかと思う。
『尾崎豊』というイメージを良い意味で打ち壊す人間的な感情にあふれたアルバムかなと思う。
つまりある一つの段階が完結しているような気がするのだ。
後半3曲は改めて聴くと出し切った感があったりする。
日本という国は、『心の病気』というものに対して寛容な国ではない。
『恥の文化』というものが世代を重ねてもなお、洗い流されることがない。
『心の病気』を自覚しながら見て見ぬふりをする人、自分に限ってそんなはずはないと頑張る人がとにかく多い。それがのちのち自分を苦しめるとしても。
『知的障害』と『精神疾患』が混同され、『心の病気』になったら、そこで人生が終わりであるかのような誤った感覚が蔓延している。
犯罪捜査などで『精神科』『心療内科』の通院歴が槍玉に上がることもあるが、そういうところに通院していても真面目に生きてる人だって少なくないのではないだろうか。やたらとナーバスになる風潮というのがある気がする。
尾崎豊というアーティストが残した一番のメッセージは、ありのままの自分と向き合うということではないかと思う。
向き合った結果が死だったならそれは彼の生き方である。
けれど20年前とはいえ今ほど、『心の病気』への理解がなかったという時代性もある。
追い詰められてゆく自分を守る回避行動がアルコールやドラッグ、女性しかなかったのかと思うと残念でならない。
風邪を引いたら薬を飲むように、怪我をしたら治療するように・・・
心が病んだら対処してゆくというのは決して恥ずかしいことなんかではない。
少なくとも現代社会においては。隠すことの方がよっぽど恥ずかしいし、いずれ壊れるだろう。
彼の人生は伝説になったけれど、そこには沢山の人の哀しみや痛みが存在したことも事実だと思う。
でもそれが、彼が愛した人達だったとすると哀しみは深い。
自分で初めて手に取ったのはシングルの『LOVE WAY』でした。
もうちょっと尾崎さんを知りたいと、中学時代のクラスの女子から借りた『回帰線』というアルバムを聴きました。
私が尾崎さんの曲で一番好きなのは遺作に入ってる『優しい陽射し』なんだけれどもね。
あの曲は尾崎豊という人間の本質を浮き彫りにしているって思うのですよ。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆ 8.5
▼今なお聴き続けられる名曲たち▼
誕生
CBS・SONY RECORDS CBS/SONY GROUP Inc.
1990年11月15日発売(CD : CSCL 1560/1561)
▼カタログ
・紙ジャケ:2001年9月27日発売(CD : SRCL 5164/5)Sony Records
・リマスター:2009年4月22日発売(Blu-spec CD : SRCL 20004/20005)Sony Music Records Inc.
・BSCD2化:2013年9月11日発売(Blu-spec CD2 : SRCL 30004/30005)Sony Music Records Inc.

Produced by Yutaka Ozaki
Directed by Akira Sudoh
最高1位・約48万枚

Disc 1
1. LOVE WAY
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ソニー復帰第一弾、8thシングル。(チャート初登場2位)
小学高学年の時で当時自分はヒットチャートに注目していたこともあって、いきなり上位に入り込んできたこの曲が気になりタカヨシブックセンターでシングルを借りました。
アイドルグループCoCoを聴きながら、これを聴いていたという面白い少年でした。
何の先入観もなく初めて聴いた尾崎さんの曲になるのかな。
なにやら激しい曲だなという印象があった。
その後『回帰線』をクラスメイトの女子に、ショップで『十七歳の地図』を借りているので多少なりとも興味を持ったんでしょう。
2. KISS
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
歌う『景色』に変化が出てきている。
3. 黄昏ゆく街で
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
1990年12月1日に9thシングルとしてリカット。
寂しい情景が浮かぶバラード。
4. ロザーナ
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ブルース・スプリングスティーン、邦楽なら佐野元春とかアコースティックをフィーチャーしたロックサウンド。
シェリーもだけど女性の名前がタイトルだと名曲になる?
5. RED SHOES STORY
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ギターとサックスが入ってる王道ロック。
6. 銃声の証明
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
シリアスモードの尾崎さん。
7. LONELY ROSE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
曲によって声の表情を変えているけれど、これは無理に低くしようとしてない感じがする。
8. 置き去りの愛
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
渋めの尾崎さん。年齢を考えると渋すぎるかも。
9. COOKIE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
愛する女性にクッキーを焼いてくれと歌うミディアムナンバー。
この曲ではとても無邪気な声で歌っている。尾崎裕哉に似てる。
10. 永遠の胸
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
1991年1月21日に10thシングルとしてリカットされる。
色々な取り方が出来るけど、ファンに向けた熱いメッセージであり、問いかけかなと思う。
どこまでもずっと俺についてきてくれよ、という願いも感じる。
サビが大黒摩季さんの『あぁ』を思い出させる。
何故生まれてきたの
生まれたことに意味があり 僕を求めるものがあるなら
伝えたい 僕が覚えた全てを
限り無く幸せを求めて来た全てを
分け合いたい 生きてゆくその全てを
心に宿るもののその姿を
ありのままの僕の姿を
信じてほしい 受け止めてほしい
それが生きてゆくための愛なら
今 心こめて
Disc 2
1. FIRE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
従来のファンが喜びそうなタイプのデンジャー尾崎。
2. レガリート
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
3. 虹
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
『永遠の胸』カップリング。
こういう感じの尾崎さんの歌唱が好きだな。とても優しい。
4. 禁猟区
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ガレージ風のロック。
5. COLD JAIL NIGHT
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
『LOVE WAY』カップリング。
カッコいい曲ですよね!シングルを借りた時はこっちのほうがよく聴いたかな。
6. 音のない部屋
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
『黄昏ゆく街で』カップリング。
狂おしいまでに愛を欲しがる主人公の姿が見える。
7. 風の迷路
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
こういう曲もちょくちょくありますよね。
こういう歌詞を見ると生と死は紙一重だと思う。
8. きっと忘れない
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
大切な人の誕生を祝う曲。
優しいボーカル、あたたかいサウンド、コーラスが妙に印象に残る。
余談だけどZARDにも同タイトルの曲があるの。
9. MARRIAGE
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
ちょっと重めの結婚しようよ、って曲。
奥様に捧げた曲なのでしょうか。
僕がもし須藤さんならこれはシングルにしたと思う。
10. 誕生
(作詞・作曲:尾崎豊・編曲:尾崎豊、星勝)
(P) 1990 Sony Music Labels, Inc.
タイトル曲は10分にも及ぶ大作となった。
息子に捧げた曲であり、両親に捧げた曲でもあったのかな。
後半の息子へ向けたものであろう語りは鳥肌もの。
家族の存在が彼の作風に変化をもたらした今作、従来のイメージ、サウンドで作られたこの曲は過去への決別のようにも思える。

▼今なお聴き続けられる名曲たち▼
マザーエンタープライズに移籍し、マザーがスマイルカンパニーなどと設立したレコード会社MMGから発表していた尾崎豊。
マザーの福田社長との確執もあり、絶望していた尾崎さんは旧知の須藤晃のもとへ、すなわち古巣のソニーミュージックに戻ることになる。
1990年10月21日に発表されたソニー復帰シングル『LOVE WAY』が好調で、20万枚に迫る売り上げとなった翌月、今作は発売された二枚組のスタジオアルバムである。
全20曲。歌いたいことが沢山あったのだろうか、ものすごい熱量である。
『卒業』を筆頭にした体制への批判というイメージがまとわりついていた彼。もしかすると、求められるものに応えてただけなのかもしれない。
夜の校舎窓ガラスこわしてまわった、盗んだバイクで走り出すとかそういう曲の歌詞の一部を切り取って、尾崎豊というパブリックイメージは出来上がってしまったような気がしている。それが本人にとって不本意だったとしてもね。
晩年の作品を聴けば分かるように、彼は特別なものではなく、ごく当たり前の平凡な着地点を望んでいたのではないだろうか。
今作、『誕生』は自身に子供ができ自分の家族が出来たことを素直に喜ぶ彼の姿が垣間見える。
タイトル曲である『誕生』はもちろんたった一人の息子の尾崎裕哉君に捧げたもの。
リラックスした歌唱の『きっと忘れない』は友人や家族に、『MARRIAGE』は奥様に向けられているとも思える。
自分が背負ってきた大きな荷物が何かを解らぬまま、一度降ろしたのは家族という心の安心ができたからなのではないかと思う。
『尾崎豊』というイメージを良い意味で打ち壊す人間的な感情にあふれたアルバムかなと思う。
つまりある一つの段階が完結しているような気がするのだ。
後半3曲は改めて聴くと出し切った感があったりする。
日本という国は、『心の病気』というものに対して寛容な国ではない。
『恥の文化』というものが世代を重ねてもなお、洗い流されることがない。
『心の病気』を自覚しながら見て見ぬふりをする人、自分に限ってそんなはずはないと頑張る人がとにかく多い。それがのちのち自分を苦しめるとしても。
『知的障害』と『精神疾患』が混同され、『心の病気』になったら、そこで人生が終わりであるかのような誤った感覚が蔓延している。
犯罪捜査などで『精神科』『心療内科』の通院歴が槍玉に上がることもあるが、そういうところに通院していても真面目に生きてる人だって少なくないのではないだろうか。やたらとナーバスになる風潮というのがある気がする。
尾崎豊というアーティストが残した一番のメッセージは、ありのままの自分と向き合うということではないかと思う。
向き合った結果が死だったならそれは彼の生き方である。
けれど20年前とはいえ今ほど、『心の病気』への理解がなかったという時代性もある。
追い詰められてゆく自分を守る回避行動がアルコールやドラッグ、女性しかなかったのかと思うと残念でならない。
風邪を引いたら薬を飲むように、怪我をしたら治療するように・・・
心が病んだら対処してゆくというのは決して恥ずかしいことなんかではない。
少なくとも現代社会においては。隠すことの方がよっぽど恥ずかしいし、いずれ壊れるだろう。
彼の人生は伝説になったけれど、そこには沢山の人の哀しみや痛みが存在したことも事実だと思う。
でもそれが、彼が愛した人達だったとすると哀しみは深い。
自分で初めて手に取ったのはシングルの『LOVE WAY』でした。
もうちょっと尾崎さんを知りたいと、中学時代のクラスの女子から借りた『回帰線』というアルバムを聴きました。
私が尾崎さんの曲で一番好きなのは遺作に入ってる『優しい陽射し』なんだけれどもね。
あの曲は尾崎豊という人間の本質を浮き彫りにしているって思うのですよ。
個人的評価:★★★★★★★★☆☆ 8.5
▼今なお聴き続けられる名曲たち▼