松任谷由実 19th Studio Album
ダイアモンドダストが消えぬまに - before the DIAMONDDUST fades...-
EXPRESS / 東芝EMI
1987年12月5日発売(LP : RT28-5060 / CD : CT32-5060 / CT : ZT28--5060)

▼カタログ
・リマスター:1999年2月24日発売I(CD : TOCT-10652)東芝EMI
・品番違い:2013年10月2日発売(CD : TYCT-69049)

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Produced by Masataka Matsutoya
最高1位・約78万枚

TL

1. 月曜日のロボット
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

オフィス・レディーをロボットに見立て、ただ繰り返す毎日から助け出してと歌う。
現代にも通じるオフィス・レディーの叫び?!…
声の加工、タイプライターの効果音が良し。


2. ダイアモンドダストが消えぬまに
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

ポップなタイトルチューン。
南の島での恋愛を歌っている。実はせつない歌。


3. 思い出に間にあいたくて
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

去っていった恋人を追いかける女性。
間に合わないと半分あきらめていても、どこかで期待しているようないないような微妙な心理を描く。
目立たない曲というか埋もれがちな曲だけどコーラスも含めカッコいいサウンドに仕上がっている。


4. SWEET DREAMS
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

22ndシングル。最高7位、7.6万枚。アルバムミックス。
三菱自動車新型ミラ-ジュ【社交性動物】CMソング。CMで【スイフト】という売り文句が出てくるのですが、スイートとかけてるとしたら由実さんはタイアップも先取りしてることになります。
ユーミンの失恋ソングとしてはスタンダードナンバーですね。
無機質な機械的なサウンドがロスト・ラヴの湿り気をより際立たせる。


5. TUXEDO RAIN
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

雨の音を拍手に見立てた二人だけの結婚式。
駆け落ちの歌なのかな。
『SWEET DREAMS』同様の無機質な機械的なサウンド。
由実さん自身、この曲の絵(映像)が見えるアレンジが気に入ってるそうです。


6. SATURDAY NIGHT ZOMBIES
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER & FUJI PACIFIC MUSIC,INC.

当然由実さんのほうが先だけど初期ドリカムっぽい音。
フジテレビ系『オレたちひょうきん族』エンディングテーマ。


7. 続 ガールフレンズ
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

VOYAGER』収録の『ガールフレンズ』の続編。
グループの女友達の結婚を祝福する歌。
現在も他の歌手で女友達を題材にした曲ってありますけど、こういう書き方できる人はいません。

今度もまとまらないと云ってたくせに
なにさ ひとり 勝手に

オメデトウ 明日 晴れやかなミセス
もう どこかのばかなやつのもの


8. ダイアモンドの街角
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

タクシーに乗り恋人に会いに行くまでの瞬間を見事に切り取った歌。
無機質なリズムに絡み合う幻想的なアレンジが印象的でシンクラヴィア効果が最もある曲といえそう。


9. LATE SUMMER LAKE
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1987 KIRARA MUSIC PUBLISHER

一転、疾走感のあるロックなサウンドアプローチ。
このアルバムを聴き始めた頃、最初に気に入って個人的に特に好きだった曲でした。
曲中、雷の音や雨の音といった効果音が挿入され、貴重なユーミンのお経(笑)も聴ける。
2020年のラジオ番組で由実さん自身が明らかにしたところによると、ワインディングロードの坂を下りながら、見える湖(避暑地)に向かう地元の少年を描いたそうです。
坂を下っているとき、湖が上に見える感じを表現したとのこと。その湖とは富士五湖のひとつとして知られる山中湖だそうです。


10. 霧雨で見えない
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 KIRARA MUSIC PUBLISHER

最後は人間味のある温かいサウンドで締めくくられた。
三菱自動車ミラ-ジュ【4ドアセダン】CMソング。
オリジナルは1984年1月に発表された麗美さんのアルバム『REIMY』(正隆氏がプロデュース)に提供したもの。翌月、ハイファイセットがアルバム『Pasadena Park』でカバー。
2013年には今井美樹さんも『Dialogue -Miki Imai Sings Yuming Classics-』でカバーしている。


RV



荒井由実として産みだした音楽は、実に内省的でサウンドも人間味があふれていた。
由実さんほどの方ならおそらくその路線で歩んでいくことも可能だったでしょう。
けれど正隆さんも由実さんも同じことをただ続けているタイプではないようで、揺るがない根底の部分(スタンダード性、エバーグリーンの品質)は維持しながらも時代の息吹を取り入れ常に進化してきた。
この作品から、当時最先端の電子楽器シンクラヴィアを使用するようになった。
当然シンセサイザーを駆使した厚みのないサウンドに変化していくわけで、由実さんの変化についていけない人もいたことでしょう。
極端なほど人工的な音や大胆な声の加工は、松任谷由実というアーティストのエイジレスを演出していたのではないでしょうか。
この作品以降のサウンドは本当にクリアなので相当音圧を上げても音割れしないためリマスターすると非常に効果的だと思う。
由実さんファンの方と交流する中で印象的だったのは、年輩の方でしたが松任谷由実になってからは聴いてないという、頑なに荒井由実時代しか認めない人がいたことです。
それほど荒井由実という存在が大きいのだというのも驚きでした。
結果としてこの作品『ダイアモンドダストが消えぬまに - before the DIAMONDDUST fades...-』は大ヒットになり、由実さんはミリオン時代を一気に引き寄せていきます。
アルバム全体を流れる統一感がある空気や洗練されたサウンドが好きです。
全く生ドラムを使用していないわけではないので、全てが硬い音というわけではないんですけどね。

(追記)
松任谷正隆さんがこの時期の音楽、シンクラヴィアのオペレーターについて否定するような発言を著書の中でされたようですね。
個人的には由実さんを本当に延命させたのは、シンクラヴィアを使った無機質なサウンドだと思っていますし、この時代のサウンドは好みです。
制作責任者である松任谷正隆さんが歴史を否定するような発言をしてほしくはなかったかな。

個人的評価:★★★★★★★★★★ 10




次作は『Delight Slight Light KISS』です。

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