松任谷由実 8th Studio Album
悲しいほどお天気-The Gallery in My Heart-
EXPRESS
1979年12月1日発売(LP : ETP-80118 / CT : ZT25-489→ZT28-542)

▼カタログ
・再発売:1981年5月5日発売(LP : ETP-90084 / CT : ZT28-784)
・CD化:1985年6月1日発売(CD : CA32-1134)
・リマスター:1999年2月24日発売(CD:TOCT-10653)
・品番違い:2013年10月2日発売(CD:TYCT-69038)

otennki

Produced by Masataka Matsutoya
最高6位・約21万枚

TL

1. ジャコビニ彗星の日 -The Story of Giacobini's Comet-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

Wikipediaによると、1972年に『ジャコビニ彗星』が話題になったそうで流星雨が予想されていたそうです。実際には流星雨は観測されなかったようですが。
この曲はそんな『ジャコビニ彗星』を絡めて早くも人生悟った感のある女性を歌っている。
そういえば自分が子供の頃にも、『ハレー彗星』というのが話題になっていました。


2. 影になって -We're All Free-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

淋しさを歌っている。

3. 緑の町に舞い降りて -Ode of Morioka-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

『やさしさに包まれたなら』にも通じるカントリー風味の曲。
幸せいっぱいの主人公(由実さん?)が東北方面に行った時に飛行機のイヤフォンで天気予報を聞いたのかな。
天気予報での盛岡という響きがロシア語みたいだったなんてさすがユーミンですね。
きっと『あなた』と『誰か』は同一人物なんでしょうね。


4. DESTINY
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

ビデオ作品『コンパーメント TRAIN OF THOUGHT』でミュージックビデオが撮られている。
ユーミンのダンスがフラッシュダンス。

ユーミンの曲の中でも特にイントロ殺しの曲。コンサートではよく歌いますね。
シングルカットされていませんが、スタンダードナンバーとして多くの人に知られている。
終わった恋愛を引きずる女性の歌ですね。


5. 丘の上の光 -Silhouettes-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

自転車でデートに出掛けた時の夕暮れのワンシーンを描いたもの。
結構長めの曲なのに、不思議と長く感じない。
後半の演奏がとても心地よくさせてくれる。

ひととき神様 息をかけないでね
素敵な光ほど移ろうのだから


6. 悲しいほどお天気 -The Gallery in My Heart-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

タイトル曲、大学時代を回想する歌。
『私』が心を寄せる『あなた』は個展を開く画家になり、『私』は平凡に生きている。
由実さんは美術大学出身ということで自身の思い出がモチーフになっているのかなと、ちょっと想像してしまいます。
玉川上水のご当地ソングということらしいです。


7. 気ままな朝帰り -As I'm Alone-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

ギルバート・オサリバン風味の曲。『What's In A Kiss』『Alone Again (Naturally)』あたりとかがよぎる。
10代、家出を決意しようとするほど好きになった人がいたけれどあきらめたという、少女の頃の淡い記憶を歌う。
女の子なら自分になぞらえて聴くことができそうなお話ですね。
時が過ぎた今では、朝帰りしても誰もとがめたりしない。
どこか寂しさを感じつつも気ままと表現する。


8. 水平線にグレナディン -Horizon & Grenadine-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

グレナディンって何?と思って調べてみたところ『ザクロ』のシロップであるグレナディン・シロップというのが出てきました。(カリブ海のグレナディーン諸島というのも出てきた・・・)
暮れなずむ海とグレナディン・シロップの色をオーバーラップさせ水平線に帰るか帰らないかの夕陽を見つめて去っていく季節に想いをはせている感じなのかな。
プラチナのブレスレットが夏の紅を最後に宿す、というくだりからもやはりその線が強そうです。
でも、受け取る人の想像力が問われる曲でしょうね。
・・・・・私には難しい。


9. 78
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

Wikipediaによると、どうやらタロットカードの枚数のことだそうです。
終盤の男性コーラス(叫び?)がかっこいいので調べてみると、あの上田正樹さん。

見えない法則を人は
神秘と呼び
操れるものを怪しむ


確かに~!



10. さまよいの果て波は寄せる -The Ocean and I-
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1979 KIRARA MUSIC PUBLISHER

失恋した女性と海。
ユーミンの歌には海もよく出てくるなあ。
このフレーズが好き。

銀の雲間から差し込む
光いくすじも 見とれ
冬の日の冷たさを忘れてた



RV



それが由実さん自身のことなのか、そうじゃないのかはさておき、ある女性の心模様が全編に渡って描かれている。
タイトルは副題として私の心の中の画廊、回廊を意味すると思われる(THE GALLERY IN MY HEART)と付けられている。私の心模様といった感じだろうか。
どこか陰のある彼女は学生時代は画家を志し、内面には大胆さ激しさを秘めている。
けれど現実的なのか、自身を臆病と自覚し平凡を選ぶ。
海や夕暮れに心を動かし、それらを視覚的にとらえ、考え、感動する人なのかも知れない。
歌詞から、アレンジから絵が見えてくる作品。

制作したのは彼女が24歳頃、今この年代の歌手達と比べても仕方ないですがかなり大人なアルバムです。
このような作品を作れば、自分を天才と言いたくもなるのではないでしょうか。
やはり生まれ持った才能を発揮できる人なんでしょう。

個人的評価:★★★★★★★★★★ 10


次作は『時のないホテル』です。

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