柴田淳 1st Studio Album
オールトの雲
Dreamusic
2002年3月20日発売(CD : MUCD-1053)

jun

Exective Producers: Kazunaga Nitta (Dreamusic) / Kunio Kaneko (Cotton Produce)
最高59位・1.2万枚

TL

1. なんかいいことないかな
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

彼女の作品の中でもポップな部類に属する曲。
優しく肩を叩かれるように元気が出てくるナンバーですよ。


2. ぼくの味方
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(C)2002 Cottonfields Co.,Ltd. & Tokiora Music

デビューシングル、インディーズでも発売していた。ジャストシステム「一太郎12」CMソング。

3. 変身
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

歌詞は失恋の歌なので、せつないんですがアコースティックなサウンドに癒される。
先行シングル『それでも来た道』カップリング曲。


4. 一緒に帰ろう
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

アルバムの中では明るいほうかな。

5. 夜の海に立ち…
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

アレンジとメロディーが良い。
ピアノを基盤にした、これぞしばじゅん的なナンバーですね。
1stでこういう曲を発表できているという驚異的な現実。


6. 帰り道
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(C)2002 U's Music Co.,Ltd. & Cotton fields Co.,Ltd.

メロディーセンスがすごい。さりげないメロディーを輝かせるのが上手。(アレンジャーの手腕?)
先行シングル『ぼくの味方』カップリング(もったいない)


7. ほんのちょっと
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

ちょっとテンポがあるバラード

8. 星の余韻★お気に入り
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

メロディーが良い。
夜空の星が浮かんできそうなかわいいアレンジ。
『変身』『夜の海に立ち…』同様、これぞしばじゅん的なナンバーですね。


9. 透き通る月~弾き語り~
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:柴田淳)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

ピアノ弾き語りです。

10. それでも来た道
(作詞:作曲:柴田淳・編曲:澤近泰輔)
(P)2002 DREAMUSIC Inc.

先行シングル

RV



製作総指揮の新田和長氏は元々東芝EMIに居られた方で加山雄三さん、オフコースといったアーティストを担当されていました。
独立して設立したファンハウスでは小田和正さんや稲垣潤一さんがヒットしています。
Dreamusic設立の際には加山雄三さんが着いてくるほど信頼があったようです。
平原綾香さんのプロデュースもされていました。

当時のマネジメントは岡村孝子さんのコットンフィールズでした。
その後、MS Entertainmentに移りビクターミュージックアーツを経て現在は独立し個人事務所オフィスダルメシアン所属。

『オールトの雲』とは太陽系外縁、冥王星よりもっと遠く・・・
天の川銀河(太陽系、我が地球がある銀河)の果てを包むように存在すると言われる氷の天体群で、オールトの雲から弾き出された天体が彗星として太陽に向かってくることから、彗星の故郷と表現されることもあるようです。
そのあたりの天体は天の川銀河ができた頃の遥か昔のもので、未知の惑星や天体がまだ沢山あるだろうと考えられています。
冥王星が準惑星に格下げされたのは、オールトの雲に冥王星より大きな天体があることが解ったからです。

デビュー作にしてなんとも壮大なタイトルだけに、内容が気になるところですよね。
基本的にサウンドの基本はピアノを基調に構成されるシンプルなバンド形式。
アレンジャーの澤近泰輔氏は元NSP(ニュー・サディスティック・ピンク)メンバーでアレンジャーとしてはCHAGEさんのユニットMULTI MAXやCHAGE&ASKA、工藤静香をよく手掛けていました。

描かれる世界は普遍的な女性心理、少し陰がある感じとでもいえば分かりやすいかな。
かと言って単に弱い女性ではなく、むしろ意地っ張りで強い(強がってる?)女性かも。
鬼束ちひろさんほど狂気的ではなく、中島みゆきさんほど哲学的でもない。
かといって椎名林檎のように演じてもいない。ナチュラルといえばナチュラルな感じ。

メロディーメーカーとしては職人的な圧倒的センスと才能を感じます。
桑田のように気に入ったメロディーを何度も使いまわすタイプの方だと思います。
聴く人によっては、どれも同じようで飽きてしまうかも知れませんがハマれば許せるでしょう。
彼女の武器は何といっても癒しにも通じる優しく、頼りなさげなボーカルでしょう。
癖のない一青窈さんみたいなイメージ。
チャートは59位と振るわなかったが、作品の完成度はかなり高いです。

『オールトの雲』はまだ実体が解明されていない部分も多いという。
あの辺を旅しているアメリカのニューホライズンズによって何か解明されることもあるかも知れない。

この作品もまたそんな星たちのように、いつか多くの人々にその存在を見つけてもらえたらといいなと思います。絶対に聴いてほしい名作です。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9