TM NETWORK 5th Studio Album
humansystem(ヒューマンシステム)
GT music / Sony Music Direct (Japan) Inc.
(P) 1987 Sony Music Labels, Inc. / Epic Records Japan
2013年2月20日発売(Blu-spec CD2 : MHCL 30012)REMASTERING

▼カタログ
・オリジナル:1987年11月11日発売(CD : 32-8H-145 / LP : 28-3H-310 / CT : 28-6H-265)
・SME品番にて再発:1991年9月1日(CD : ESCB 1209)
・Epic/Sony Records再発:1996年6月17日(CD : ESCB 1756)
・Epic Records再発:2000年3月23日発売(CD:ESCB 2117)
・ボックスDisc7:2004年3月31日発売(CD: DYCL 3337 Disc7)
・紙ジャケ限定盤:2007年3月21日発売(Blu-spec CD2 : MHCL 1039)
・リニューアル:ボックスDisc7、:2017年3月21日発売(Blu-spec CD2: DYCL 3337 Disc7)


Produced & Arrangement by Tetsuya Komuro
Co-producer : Yoji Kosaka
最高1位・約38万枚

djm_humansystem
(P) 1987 Sony Music Labels, Inc. a SONY company

tm
Lead Vocals:Takashi Utsunomiya
Synthesizer & Acoustic Piano:Tetsuya Komuro
Acoustic Guitar:Naoto Kine



1. CHILDREN OF THE NEW CENTURY
(作詞:小室みつ子・作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

オープニングは未来や地球といった壮大なスケールを感じさせるアップナンバー。
確実に時代は動いていく。

【MUSICIANS】 Drums:Steve Ferrone / Guitar:Yuji Toriyama / Bass Guitar:Tetsuo Sakurai

2. KISS YOU (More Rock)
(作詞:小室みつ子・作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

1987年10月1日発売の11thシングル。最高4位、11.1万枚。
シングルだったんだ…って印象。

【MUSICIANS】 Drums:Steve Ferrone / Guitar:Warren Cuccurullo

3. BE TOGETHER
(作詞:小室みつ子・作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

宇宙を連想させるような壮大なイントロを打ち破るドラムの音。
どこまでも突き抜けてゆきそうなポップなメロディーが妙に心地良い。ドラムはレベッカの小田原豊、ギターは(のちのB'zでグラミー賞ウイナーの世界的ギタリスト)TAK MATSUMOTO(タック・マツモト)によるもの。
楽器屋バイト時代の知人を通じて偶然デモテープが渡り、望まれて所属することになったビーイングのチーフプロデューサー長戸氏にバンド結成の構想を話していた頃だろうか。長戸氏は可愛がっていた稲葉浩志をデビューさせたいと機会を伺っていた頃。
ここでも他人が他人によって出会い、B'zといえバンドで関係性を築いてゆくことになるわけである。
小室哲哉がプロデュースした女性アイドル歌手鈴木あみが1999年にカバーし、7thシングルとして発売している。その際、87万枚という大ヒットとなっている。(ちなみにTM NETWORKのシングルの最高売り上げは『Love Train』の53.3万枚。)
この曲が12年後に一般に広く浸透するなんて思ってた人はいただろうか?

【MUSICIANS】 Guitar:Tak Matsumoto / Drums:Yutaka Odawara

4. HUMAN SYSTEM
(作詞:小室みつ子・作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

タイトル曲。イントロでモーツァルトのトルコ行進曲が融合する。
アルバムの核として存在する楽曲、とてもカッコ良い曲ですよ。これシングルにしてほしかった。
変わり続ける時代の荒波…受験戦争、集団いじめ、殺人、外人コンプレックス… 破壊と創造を繰り返して成熟に向かう人間。
ありとあらゆる要素をひっくるめて、人間の営みは全て関係性の中で生まれ、つながっていると人々に教えているかのようだ。
シンセの間に大胆にサックスを挟み、混沌とした時代の焦燥を、よりリスナーに意識させ、感じさせてる気がした。
これだけ人が多いと、出会いには限界があるけれど、偶然のような運命で人は出会い関わっているのかもしれない。

【MUSICIANS】 Drums:Steve Ferrone / Guitar:Warren Cuccurullo / Saxphone solo:Larry Williams
出会えない 誰かのrelation
別々の朝 迎えてゆくように
いつの日か 誰かのdirection
重なるのなら かけがえのないこと


5. TELEPHONE LINE
(作詞:小室みつ子・作曲:木根尚登・編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

木根尚登さん作曲のバラッド。
ドラマ主題歌とかもらえてたら、シングルでもいけたでしょうこれ。
やっぱり木根さんはメロディーメーカーとして相当な才能があり、小室さんもそれを認めてるからこそ、メンバーでいたんだろうなと思いました。
宇都宮隆さんの艶やかな声にぴったり。
ドラムの青山純さんは生前、(ドラムプレイは)バラードを叩いてるのが好きと仰っていたそうです。

【MUSICIANS】 Drums:Jun Aoyama / Guitar:Warren Cuccurullo

6. LEPRECHAUN CHRISTMAS
(作詞:小室みつ子・作曲:小室哲哉、木根尚登・編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

壮大なバラードのあとは、うねるギターが印象的な1曲。レコードではB面のはじまりの曲なのでアクセント配置かな?
【MUSICIANS】 Drums:Steve Ferrone / Guitar:Warren Cuccurullo

7. FALLIN' ANGEL
(作詞:小室みつ子・作曲:木根尚登・編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

聴いたのは初めて。小室さんっぽいけど木根さんの曲なんですよね。
サビが弱いけど、躍動感のあるメロディーはTM NETWORKのカラーになっていて嫌いじゃないですね。宇都宮さんのボーカルが元気!

【MUSICIANS】 Drums:Yutaka Odawara / Guitar:Yuji Toriyama

8. RESISTANCE
(作詞:小室みつ子・作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1987 NICHION,INC.

1988年1月1日に今作からリカット、シングル発売された。最高6位、11.6万枚。
これはどこで知ったかは忘れたけれど、知っていました。名曲ですよね。
美里にとられなくてなくてよかったね。美里好きそうじゃない?こういう曲。

【MUSICIANS】 Drums:Jun Aoyama / Guitar:Yuji Toriyama
向かい風に さからうように
迷い道を選んでゆくね


9. COME BACK TO ASIA
(作詞:小室みつ子・作曲:木根尚登・編曲:小室哲哉)
(C) 1987 NICHION,INC.

『RESISTANCE』のB面。木根さんが作った大賀埜々の『close to the night』という曲が僕すごく好きなんです。
あの曲にバイブレーションが似てるなと思っていて、この曲もセットで好きなんですね。
闇から光へ、夜から朝へみたいな感じ。
何かが始まりそうなときのドキドキと不安が混ざるときのような感じ。

【MUSICIANS】 Drums:Hideo Yamaki / Guitar:Yuji Toriyama
すべては変わり続ける
永遠はどこにもない
生命と別れ アジアに抱かれて


10. DAWN VALLEY (Instrumental)
(作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

映画のエンドロールを観ている時のような何処か人の心の根元にある変わらない寂しさを映し出したような曲。『終わって欲しくない時間』をみつめてるみたいな。サックスが優しいね。
寂しさと厳しさと優しさが味わえる華原朋美の名曲『YOU DON'T GIVE UP』とリンクした。

『終わって欲しくない時間』とは、たとえば子供の頃の長い休みなんかに従兄弟や親戚が泊まりにきて、楽しい思い出を残して、帰ってゆく時のような感じ。後ろ髪ないけど後ろ髪ひかれる気分ですよね。
子供は気持ちを処理できないから、そういう時に泣くじゃないですか。
決して戻らないものがあることを知らずに。
退廃的なものを時の経過が薄めて、希望をたよりに創造される新しい時代。そして80年代が終わりに向かってゆく。
当時の若者たちはどんな未来を夢見ていたのだろう?
そして50代くらいになっているであろう少年、少女たちはいま、何を夢見ているのだろうか?
闘い続けた先にたどりついた場所は望んでいた場所でしたか?

【MUSICIANS】 Flugelhorn solo:Jerry Hey

11. THIS NIGHT
(作詞:作曲:編曲:小室哲哉)
(C) 1987 J&K Music Publishers, Inc.

最後はアルバム中、唯一小室さんが作詞している曲です。小室さん自身の言葉で伝えたかったこともやはり人との関係についてなのかなと。
もう何度もリピートしてるほど好きな曲。イントロとサビがかなり僕的にタイプなの。サビがサビらしい曲っていうの?
ユーミンの『Lost Highway』とかさ。

【MUSICIANS】 Saxphone solo:Larry Williams
ひとりきりの夜は今も忘れないけれど


Horn section(#2)
Arrangement & Sax:Satoshi Nakamura
Trumpet:Junichi Don-pei Kanesaki
Trombone:Takaaki Hayakawa

Co-Sound designer:Greg Bartheld
Co-programmer:Tetsuo Ishikawa
Background vocals:TM NETWORK

Executive Producer : Yoji Kosaka (CBS/SONY GROUP)





最近はデジモノやトラベル系のブログの大規模リニューアルをしていたのでこちらはご無沙汰でした。お久しぶりです。

今回取り上げるのは、音楽プロデューサーとして90年代を駆け抜けた小室哲哉が在籍していたことでも知られるTM NETWORKのアルバム『humansystem』です。
実は私、これを聴くのは今回が初めてで、TM NETWORKの商品をレンタルしたことはあっても、購入したのも今回が初めてです。
アルバムを購入するきっかけは、ベストアルバムの中で気に入っていた曲『COME BACK TO ASIA』が入っているオリジナル・アルバムを調べたことに始まります。
作曲者は木根尚登。彼の曲は以前より気になるものが多く、来生たかおのような哀愁を帯びたメロディーが多いように感じていました。オサリバンとか好きなのだろうか?
ベストアルバムや90年代の一部の作品は聴いていましたが、過去のアルバムをたどるほどの好きには到達しませんでした。
彼らについての認識は、SF的な世界観があって、ロック、ポップ、ダンスが混合したサウンドの人たちくらいにしか思っていなかった。
僕が初めて聴いたのが『THE POINT OF LOVERS' NIGHT』ですからね。
途中からB'zのほうにいっちゃったし、そのあとビーイング系のブームとかも入ったから、彼らを深く追うことはなかった。
そのあと小室哲哉プロデューサーには相当お世話になりましたけどね。

80年代ど真ん中を生きた人たちってバブルに入った後半を除けば厳しい時代だったのではないだろうか。
今ではありえないほど、不良やヤンキーを題材にしたドラマがあったように思うし、すなわち社会問題として、いじめや不登校、校内暴力、コンクリート殺人などがあったわけで、かなり殺伐とした時代だったと思うから。
そしてそこには、学歴社会に伴う受験戦争があった。こぼれおちたものたちは非行に走るしかないような時代背景。
バブルに突入する前夜、確実に変化の時を迎えていたことがうかがえる。それはまるで工場が勢いよく吹き上げる煙のように、胸騒ぎを誘うような激しさで。

小室哲哉が長くテーマとして扱っているrelationは時代に関係なく人々の間に存在する。
その種類は家族でも、恋人でも、友達でも、知り合いでも、他人でもいい。関係性のもとに人々は存在し合っている。
時代は変わる、何もかもきっと変わってゆくけれど、変わらないものがあるとしたら、人の心がつなぐものなのかも知れない。

もっとピコピコしてるのかと思っていたけれど、サウンドは結構肉厚ですよね。TMってロックだったんだなと思ったもん。
僕が出会った時のTMとはやはり違っていた。使用機材の進化によるサウンドの変化というのは当然あるわけだけど。
イメージって怖いよね。小室哲哉=ピコピコ、ダンス、テクノみたいな先入観が入ってたこともあって、こういう作風が意外だった。

80年代と90年を繋ぐ役割をした人たちなんだろうね。特に少年、少女たちの心に寄り添っていったブレイク以降は。
そのあと、小室哲哉は稀代のミリオンセラー・プロデューサーになっていくわけだけど、小室さんが本当にやりたかったことはきっとこっち(TMN)だったのかなのではないかと思う。
思ったようには売れなかったかもわからないけど、アーティストとしての想いが詰まってるのは圧倒的にこちらだと思うもの。

TM NETWORKは、この作品の次アルバム『CAROL』で66万枚という最高ヒットを獲得し、その次の『RHYTHM RED』では59万代、その次の『EXPO』で再び60万枚に到達するなどセールス自体は決して悪くなかった。
女帝ユーミンは再ブレイクに突き進み、TM NETWORKのサポートギタリストだった松本孝弘(TAK MATSUMOTO)率いるB'zやEpic/Sonyの後輩にあたるDREAMS COME TRUEが頭角を表し、ミリオンセラーの時代の扉を叩いた。
そして小室哲哉自身、プロデューサーとしての活動を活発化させたことでグループは終了といつ結論に向かう。
(契約の都合で)色々面倒臭いソニーから逃げたとも言えなくも無いかもだけど。(笑)

いつかまた、やるでしょうね。彼らの関係性も変わりはしないでしょうから。
ただエイベックスではやらないほうがいいと思う。小室さんは人の意思で踊れない、萎縮してしまう人だと思うので、自由にできる環境でやってほしいかな。

個人的評価:★★★★★★★★★⭐︎ 9