KinKi Kids 1st Studio Album
A album
Johnny's Entertainment Inc.
販売元:Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
1997年7月21日発売(CD:JECN-0003)

Album

Produced by Julie K Fujishima
最高1位・103万枚

TL

1. Rocks
(作詞:和田毅・作曲:谷本新・編曲:棚橋信仁)コーラスアレンジ:松下誠
(C) 1997 Johnny Company Inc.

オープニングは攻めのKinKi Kidsのライフソングになっている。
アルバム曲ながら、ミュージックステーションで堂本剛により披露されている。


2. Kissからはじまるミステリー
(作詞:松本隆・作曲:編曲:山下達郎)
(C) 1997 Nippon Television Music Corporation & Johnny Company Inc.

シリアスなオープニングから打って変わって、山下達郎サウンド・プロデュースによる小気味良いTheアイドル・ナンバー。少年隊っぽい気がする。サビが特に耳タコ。
日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿』主題歌。


3. Tell me
(作詞:和田毅・作曲:羽場仁志・編曲:岩田雅之)
(C) 1997 Johnny Company Inc.

ファンクなテイストのダンスナンバー。

4. 僕は想う
(作詞:和田毅・作曲:谷本新・編曲:船山基紀
(C) 1997 Nippon Television Music Corporation & Johnny Company Inc.

ハートウォーミングなミディアムテンポのナンバー。
歌詞も良いですし、楽曲のクオリティはシングルレベルですね。
ボーカルは堂本光一のソロとなっている。日本テレビ系ドラマ『銀狼怪奇ファイル』主題歌。


5. せつない恋にきづいて
(作詞:MIZUE & HIDE・作曲:寺田一郎・編曲:岩田雅之)
(C) 1997 Johnny Company Inc.

本格的なバラード曲。
ローソン限定発売したKinKi Kidsの作品のCMでこの色がオンエアされている。


6. DISTANCE
(作詞:山本英美・作曲:MARK DAVIS・編曲:CHOKKAKU)コーラスアレンジ:岩田雅之
(C) 1997 Johnny Company Inc.

作曲者のマーク・デーヴィスは昭和アイドルの楽曲で、主にアレンジャーとして、おなじみの馬飼野康二の別名です。ジャニーズでは男闘呼組のヒット曲を作曲していました。
フジテレビ系ドラマ『艶姿!ナニワの光三郎七変化』主題歌。


7. ひとりじゃない
(作詞:森浩美・作曲:MARK DAVIS・編曲:船山基紀)
(C) 1997 Nippon Television Music Corporation & Johnny Company Inc.

こちらは堂本剛のソロとなっている。ボーカルの質感が変化するので一部レコーディングし直してるかも知れない。やはりシングルで切れるクオリティーといえよう。
日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿』主題歌。


8. あの娘はSo Fine
(作詞:和田毅・作曲:谷本新・編曲:CHOKKAKU)コーラスアレンジ:西司
(C) 1997 Johnny Company Inc.

昭和っぽいね。

9. FRIENDS
(作詞:森浩美・作曲:羽場仁志・編曲:船山基紀)
(C) 1997 NICHION,INC. & Johnny Company Inc.

1996年に放送されたTBS系ドラマ『若葉のころ』主題歌。
ドラマのイメージに合わせて作られたのでしょうね。懐かしい。


10. たよりにしてまっせ
(作詞:吉田みなを、村雨まさを・作曲:服部良一・編曲:岩田雅之)
NIPPON COLUMBIA CO.,LTD.

笠置シヅ子のカバー曲。

RV



昔のジャニーズは、デビューまでファンを焦らして飢餓感を煽るやり方でしたよね。
ジュニアの頃に目をつけ、彼らがデビューしてゆく姿を母親のような時点で見守る女性ファンたち。
KinKi Kidsはジュニア時代から各々がドラマに主演したり、主題歌を担当するなど活躍していましたよね。モロ世代なので95年前後の彼らのドラマはほとんど観てます。
もともと、田原俊彦、光GENJIとジャニーズとも所縁のあるレコード会社ポニーキャニオンからのデビューが検討されており、CDデビュー前の1995年には同社からビデオをリリースしている。
ジャニーズが自前のレコード会社を設立することになり、その第一弾にとメリー喜多川が温存した。
ちなみにKinKi Kidsのお詫びの意味もあり、ジャニーズは1999年に嵐をポニーキャニオンに預けている。

今作はそんなKinKi Kidsの1stアルバムで、デビューシングル『硝子の少年』と同日発売だった。
シングルとアルバムを両方買うと税抜き3000円となる価格設定になっており、両方手にしてもらいたい意図に基づいたアイデアだったのかもしれない。
これを組み合わせてプチ特典をつけたセット販売も行われている。

KinKi Kidsのオリジナル・アルバムとしては唯一のミリオンで、シングル未収録のジャニーズのアルバムとしては最大のヒット作になっている。
やはりドラマ主題歌として発売が望まれていた楽曲が商品化されたということで、ファンはもちろん楽曲のファンも手に取った一枚かも知れない。
プロデューサーはメリー喜多川の一人娘で元女優の藤島ジュリー景子。(当時31歳になったばかり)
まあ、ジャニーズエンタテイメント自体、彼女が社長になるために設立されたようなものですが。

特別ジャニーズファンということでもなく、好みのタイプでもないのだけど、前述の通り世代でもあるので、このアルバムとシングルは購入しました。
最初はシングルだけ買って、後からアルバム買ったと記憶しています。

アイドル・ポップスの王道ですよね。
光GENJIの中期以降、Smapの初期なんかはこんな感じでした。
耳馴染みの良い楽曲の間にアクセントになるような曲、そして最後はジャニーズ的な昭和リスペクトを漂わせ終わっている。
曲数も10曲と決して多いとはいえないが、通して聴きやすい作品です。

最後に山下達郎とジャニーズの関係についてふれておこう。
山下さんの所属事務所元代表で長年のビジネス・パートナーだった小杉理宇造という人物がいる。
RCAレコードのディレクターとして近藤真彦を担当したことをきっかけに、ジャニー喜多川およびメリー喜多川姉弟と出会い、気に入られ信頼を得る。
その後、RCAレコードから独立しアルファミュージックの資本の下、アルファ・ムーンを設立。
90年代に入ると他社との合弁会社MMGを設立。
山下達郎、まりやのレーベルMOON RECORDSのM、ハウンドドックがいま事務所マザーエンタープライズのレーベルMother&ChildrenのM、ブルーハーツのGarlandレーベルのGとそれぞれの頭文字からMMGと命名されました。
のちにワーナー傘下入りし、イースト・ウエスト・ジャパンとなり、ワーナーミュージックに吸収され、小杉はワーナーミュージック日本法人の代表となる。
1996年、SMAPの連続ヒットを受けてジャニーズ事務所は自前のレコード会社を設立することになった。それが今作の発売元となっているジャニーズ・エンタテイメントである。
この新会社立ち上げには、レコード業界を知り尽くした小杉が深く関与していたという。
KinKi Kidsの数々の大ヒットを送り出した同社は、今年の5月末日をもって22年弱の活動に終止符を打った。

ジャニーズには、藤島ジュリー景子が設立したレコード会社ジェイストームも存在していた。こちらは元々は嵐の個人的なレコード会社だったのだが、藤島ジュリー景子が担当するアーティストが移籍してきたり、新人がデビューしたりで、ジャニーズ・エンタテイメント以上に利益を上げる会社に成長していた。
ジャニーズ・エンタテイメントは営業を終了したものの、ジェイストームのレーベルJohnny's Entertainment Recordsとして残されることになった。
ジャニーズ事務所の二つのレコード会社が一つになったというわけだ。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9


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